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行政書士とは?
行政書士の主な業務は以下になります。
①官公署に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理
②遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成
③成年後見に関する業務
①官公署に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理
官公署に提出する書類は様々なものがあります。例えば、飲食店を開業する時には「飲食店営業許可」の書類の提出が必要です。場合によっては「風営法上の許可」が必要なこともあります。
近年、行政の充実が図られることにより、以前にも増して住民と官公署との関係が密になり、住民が官公署に提出する書類が多くなってきました。また、そういった書類の作成には高度な知識を要するものもあります。
行政書士は、官公署に提出する書類作成のプロフェッショナルです。依頼人の状況に応じて必要な手続きを判断し、専門的な知識を持って書類作成を行い、迅速に許認可等の手続を進めます。
行政書士は、ただ書類を作成するだけが業務ではありません。コンサルティングを含む行政手続きの専門家としての役割が期待されています。
②遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成
遺言書や遺産分割協議書の作成、不動産の賃貸借契約書の作成、金銭消費貸借書の作成等、市民生活に必要な書類の作成を行うのも行政書士の業務の一つです。
この他にも、交通事故に関する示談書の作成や、内容証明郵便の作成などが出来ます。法的見地からトラブルを解決に導く最適な書類を作成できる行政書士は、身近に頼れる法律家です。
③成年後見に関する業務
認知症や障害により、判断能力が不十分な人の財産管理等をおこないます。現代の日本は超高齢社会に突入しています。平均寿命の高まりに伴って、成年後見制度のニーズが高まっています。
また、行政書士による成年後見サポートセンター(一般社団法人コスモス成年後見サポートセンター)が、行政書士の成年後見業務をバックアップしてくれます。
上記に挙げた例以外にも、日本国籍の取得を希望する人のための帰化申請手続きや、畑を宅地に変更するための許可(農転許可)の手続等ができます。
最近は、民泊業の許可申請代理を生業としている行政書士もいるようです。現在、外国人旅行客の増加等により、宿泊施設が足りなくなるといった問題があります。解決策の一つとして、法律や条例の整備により、特区民泊が認められることになりました。
これにより、国家戦略特別区域内において、旅館業法の適用が緩和され、一定の要件を満たす施設については、認定を受けることにより旅館業法の適用の除外となります。要件さえ満たせば、マンションの1室からでも施設を提供することができるようになります。消防署や保健所への書類の提出、打ち合わせなどの手続きが大事になってきます。
行政書士になるには?行政書士試験について
行政書士になるには、行政書士試験に合格しなければなりません。行政書士試験の合格率は低く、受験者数に対する合格率は令和2年は10.7%、令和元年は11.5%、平成30年は12.7%でした。
100人中11~13人しか合格できないので、合格するためには相当な勉強量が必要です。
試験日:例年 毎年1回、11月の第二日曜日に実施されます。
試験時間:13:00~16:00(3時間)
受験資格:誰でも受験できます。年齢、性別、学歴等に制限はありません。
受験料:7,000円。
受験申請受付期間:例年8月頃(郵送の場合)
試験科目:行政書士の業務に関し必要な法令等(出題数46題) 、行政書士の業務に関連する一般知識等(出題数14題)
試験の内容:60問(300点満点)
・「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式及び記述式
注:記述式は、40字程度で記述するものを出題します。
・「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式
合格基準:次の要件のいずれも満たした者
① 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
② 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
③ 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
(注) 合格基準については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります。
令和2年度の行政書士試験の申込者数は54,847人、受験者数は41,681人、合格者数は4,470人、合格率は10.7%でした。
令和元年度の行政書士試験の申込者数は52,386人、受験者数は39,821人、合格者数は4,571人、合格率は11.5%でした。
平成30年度の行政書士試験の申込者数は50,926人、受験者数は39,105人、合格者数は4,968人、合格率は12,7%でした。
行政書士試験の実施は1年に1回のみです。
合格点は、例年300点満点(全60問)中180点です。つまり全体の6割の点数を取ることで合格できます。
6割取ることは一見すると簡単そうですが、行政書士試験には合格基準点(いわゆる足切り点)が設定されていたり、記述式問題が出題されたりする等、試験範囲は広く、全科目において正確な知識が求められるため、合格は易しいものではありません。また、一般知識等の科目が出題されることも、行政書士試験の難易度を上げています。
行政書士試験に合格するには?
行政書士試験に合格するための勉強方法を、次の2つのパターンに分けて紹介します。
- 行政書士試験が初めての法律系試験の受験の方
- 司法書士や宅建士等、他の法律系試験の合格者、又は合格に向けて勉強していた方
1.行政書士試験が初めての法律系試験の受験の方
行政書士試験が初めての法律系試験の受験の方の多くは、予備校に通って勉強するか、通信教育で勉強して合格される方が多いようです。
主に通学講座では、『LEC』が人気のようです。
通信講座では、『資格スクエア』『アガルート』『フォーサイト』『スタディング』『クレアール』『たのまな(ヒューマンアカデミー)』が人気です。
2.司法書士や宅建士等、他の法律系試験の合格者、又は合格に向けて勉強していた方
他の法律系試験の合格者や、合格に向けて勉強していた方は、法律系試験の勉強の方法を知っていて、法律に関する知識もあります。
司法書士試験を勉強していた方は、憲法・民法・商法/会社法が、宅建士試験を勉強していた方は、民法が行政書士試験の試験科目と被っています。行政書士試験向けには、択一式はそれ以外の試験科目の勉強をプラスαすることと、行政法と民法の記述式対策を勉強することで合格できます。
このような方の多くは、独学で勉強して合格する方が多いようです。
独学者に支持されている独学用のテキストは、『出る順行政書士 合格基本書』『うかる! 行政書士 総合テキスト』『合格革命 行政書士』です。
行政書士試験を受ける方へ
行政書士の業務はとても幅広く、資格を取得した後には自分次第で無限の可能性が広がります。行政書士試験は試験科目が多く、求められる内容も深いので勉強は大変ですが、合格後には明るい未来が待っています。皆様の合格を心よりお祈りしています。
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