資格紹介

『競売不動産取扱主任者試験』を分かりやすく解説します

競売不動産取扱主任者

「ワカメの民法が試験科目の資格試験」紹介シリーズ。今回は、競売不動産取扱主任者試験についてです!

競売不動産取扱主任者とは?

競売不動産取扱主任者とは、一般ユーザーが、安心して不動産の競売に参加するために適切なアドバイスやサポートを行う、不動産競売のプロで、一般社団法人不動産競売流通協会が認定する『民間資格』です。

不動産競売における一定の知識を有することによって、競売参加者へのアドバイスや、競売手続きの代行などをすることが主な業務となります。

競売の代行手数料を報酬とすることも、収入元の一つですが、自らが競売の落札者となり、リフォームして転売したり、賃貸したりすることによって、収入を得ることも可能です。

すでに不動産業を(宅建業)を営んでいる方であれば、落札後の転売から、管理まで行うこともできますので、宅建業のノウハウも生かしつつ、業務の幅を広げるとともに、事業の安定化を図ることも期待できます。

こんぶ先生
こんぶ先生
競売というのは、そもそもどういったものなのでしょう。競売不動産取扱主任者の役割を深く知る前に、競売不動産とは何かを先に詳しく説明します。

競売不動産とは

借入金の返済ができない債務者が、その担保として提供していた土地や建物などの不動産を、債権者が裁判所に申し立て、その結果裁判所が売却する不動産を競売物件といい、その不動産を最低売却価格以上の最高値で落札するシステムのことを「競売(けいばい または きょうばい)」と言います。

競売は不動産業者ではない個人の方でも参加できます。
ですが、競売のイメージは

「ヤ〇ザが絡んでいるかもしれない。」

「タチの悪い居住者が居座って、出て行ってくれないかもしれない。」

などといったような

なんとなく、怖い、怪しい、いかにも面倒なことに巻き込まれそうな暗い印象があります。でもそれは随分昔のことであって、現在は民事執行法がきちんと整備されており、以前に比べると、競売に参加する個人の数も、徐々に増えてきてはいるようです。

とはいえ、一般の流通物件と、競売物件とは適用される法律が違うため、競売の知識なしで不動産競売の入札をするのは、あまりお勧めできません。

  1. 入札価格はいくらが妥当なのか
  2. 立ち退き交渉が出来るのかどうか
  3. 内覧が出来ないので、室内がどうなってるのかわからない

など、様々な不安要素があり、まだまだ素人にはハードルが高いというのが実情です。

『一般不動産と競売不動産』適用される法律の違い

一般の流通不動産が『民法』や『宅建業法』に基づいて売買されるのに対して、競売不動産は、『民事執行法』という法律に基づき、債権者や担保権者が裁判所に申し立てすることによって、裁判所が目的の不動産をセリにかけ、売却します。

競売物件の内覧は原則不可で、中がどうなってるかを見ることは出来ませんし、引渡の保証はありません。

こんぶ先生
こんぶ先生
もう一つおまけに付け加えると、瑕疵担保責任もありません。
のり男
のり男
一般流通物件とはえらい違いだなぁ

そのようなリスクは多々ありますが、競売の大きいメリットは、市場価格よりも2割、3割程度安い金額で不動産を購入できることです。

競売物件のローン制度について

以前は、競売物件を落札した際、金融機関から融資を受けることが困難で、買受人は自分で資金を調達しなければいけませんでした。そのため、競売に参加できる人は、現金を沢山持っているユーザーに必然的に制限されていたのです。

競売物件を落札した代金を、現金一括で支払える人は少ないため、より多くの人に競売に参加してもらえるようにと法改正がされました。競売物件を担保にした買受人のためのローン制度(平成10年12月、民事執行法82条2項)です。

このローン制度により、現在では競売不動産も銀行の融資で購入可能となり、一般の個人ユーザーも競売に比較的参加しやすくなったのです。

但し、ローンで買い受けを希望する場合は、登記の専門家である「司法書士」または「弁護士」を必ず指定代理人として届出なければなりません。

競売不動産取扱主任者の役割

競売不動産取扱主任者は、競売のアドバイスやサポートだけでなく、日本不動産仲裁機構・不動産ADRの調停人候補者の基礎資格にも認定されています。

本来、弁護士でない者が報酬を得て、法的なトラブルに介入すること は認められておらず(弁護士法第72条)、業務上のお客様からの相談や 現場調査などを受けた場合でも、トラブルの内容自体に関わることは 弁護士法違反(非弁行為)となる恐れがありました。

この度、当協会が加盟する日本不動産仲裁機構が、平成29年3月15日に法務大臣より裁判外紛争解決機関としての認証を受けました。

それに伴い、当協会の認定する競売不動産取扱主任者が、競売分野でのADRにおける、調停人基礎資格として当該機構から認定されました。

ADRとは、 (Alternative Dispute Resolution)の略で、『裁判外紛争解決制度』と訳され、裁判手続きによらずに紛争を解決する手法をいいます。

ワカメちゃん
ワカメちゃん
報酬を得て法的なトラブルの仲裁業務を行うのは、本来弁護士しか認められていないけど、競売のトラブルに関してのみ、競売不動産取扱主任者が行えるわけですね。
こんぶ先生
こんぶ先生
調停人になるためには、日本不動産仲裁機構が指定する調停人研修(20時間)を受講し、調停人としての登録をしなければいけません。
のり男
のり男
『不動産競売』の範囲内だけとはいえ、弁護士の代わりが出来るなんてすごいな!

競売不動産取扱主任者になるには?

競売不動産取扱主任者の試験に合格しなければいけません。試験は、4肢択一 全50問のマークシート式試験です。

合格後『競売不動産取扱主任者』として登録するためには、登録講習を受ける必要があります。さらに、宅建士であるか、宅建士の試験に合格していることが条件となります。

競売不動産取扱主任者の試験は、宅建士の知識があるならば、20時間から25時間ぐらいの勉強時間で合格できるため、宅建士の試験勉強と並行して学習し、同じ年度に同時取得するという方法もおすすめです。

◆競売不動産取扱主任者試験

試験日:2019年12月8日(日)
試験時間:14:00~16:00(120分間)
受験資格:誰でも受験できます。年齢、性別、学歴等に制限はありません。
受験料:9,500円。
受験申請受付期間:2019年8月1日(木)~2019年10月31日(木)
試験の内容:マークシートによる4肢択一試験。全50問。
合格基準:全50問中7割程度
試験の内容:不動産競売実務、民事執行法、民事訴訟法、民法、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、税法。
裁判所資料の正確な理解、競売不動産の出品から、落札、明渡迄とその付随する物の法律知識等。

競売不動産取扱主任者に合格するには?

2018年度の合格率は40.4%(合格点34点)でした。合格ラインは7割(35点)程度が目安となります。

公式テキスト「競売不動産の基礎知識」と、「競売不動産取扱主任者 演習問題集」が発刊されています。また、DVDによる対策講座も販売されています。

主に、不動産競売手続に関する基礎知識と不動産の法理論と実務の分野から多く出題されます。過去問が公開されていないため、テキストをしっかり読んで暗記し、演習問題を解いて備えましょう。

難易度的には宅建士試験よりも比較的易しいと思いますが、不動産競売手続きの流れや、競売物権の資料の内容など、実務的な内容も含む試験です。

宅建士の試験勉強には馴染みのない、『民事執行法』からも出題されますので、この辺りをしっかり勉強することが合格の要となりそうです。とはいえ、宅建士の試験科目と重なる部分(民法、借地借家法、建物区分所有法、不動産登記法、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法など)が多くありますので、宅建士の試験勉強経験者はスムーズに学習を進めることが出来るでしょう。

競売不動産取扱主任者を受ける方へ

不動産業者は数多くありますが、競売不動産を専門に扱う不動産業者はまだまだ少ないです。競売は一般の人も参加できる国の制度ですが、一般の流通不動産のような保証がないためトラブルも多く、専門的な知識が必要で、まだまだ敷居は高いです。

また、競売はローンが通らないというのも過去の話で、平成10年の民事執行法改正により法改正が整い、競売不動産の購入に住宅ローンが利用できるようになったことから、競売不動産取扱主任者は金融機関でも多く必要とされています。

アベノミクス効果による景気の上向きとともに一般流通不動産の価格が上昇し、競売で少しでも不動産を安く手に入れたいとするユーザーが今後も増えると見られます。

このように多様化するユーザーのニーズにこたえるためにも、競売不動産取扱主任者の資格試験の勉強をすることによって、競売の正しい専門知識を手に入れ、新たなビジネスチャンスを掴んでください。

ワカメちゃん
ワカメちゃん
今回は競売不動産取扱主任者の仕事や競売不動産取扱主任者試験の概要についてご紹介しました。次回もまた民法が試験科目の資格試験についてご紹介します!



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