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宅地建物取引士とは?
宅建士とは、不動産の取引をする際に、お客様が知っておくべき重要事項を説明する仕事をする人です。重要事項の説明は、資格を持った宅建士のみが出来る仕事です。
不動産の取引額は高額であり、曖昧な説明や契約をしてしまうと、後々大きなトラブルを引き起こしかねません。不動産取引に関する専門知識を持った宅建士が関わることで、円滑な不動産取引を実現することができます。
不動産業者(宅地建物取引業者)には、一定の人数の宅建士の設置が義務付けられていて、ひとつの事務所につき、不動産取引業務に従事する者『5名につき1名以上』の割合で、専任の宅地建物取引士が必要です。それ故、宅建士資格を持っていると不動産業界への転職に有利だとされています。
また、宅建士の資格を持っていない人には、入社後に宅建士の資格の取得を課せられることも多いです。宅建資格を持っている人に資格手当を支給する会社もあります。
宅建士の資格は宅地建物取引業に従事することで活かされる資格ですが、宅建士の資格取得に向けて勉強して得た知識は、私たちの生活にも密接に関連する知識です。試験科目である民法は契約や相続等の際に役立ちますし、不動産登記法等は自宅の購入の際に大いに役立つでしょう。
宅地建物取引士になるには?宅建試験について
宅建士になるには、宅建士試験に合格しなければなりません。宅建士試験の合格率は低く、令和2年度の合格率は17.6%でした。
100人中17人程しか合格できないので、合格するためには相当な勉強量が必要です。
試験日:毎年10月の第3日曜日 令和3年10月17日(日)
試験時間:13:00~15:00(2時間)
受験資格:誰でも受験できます。年齢、性別、学歴等に制限はありません。
受験料:7,000円。
受験申請受付期間:例年7月中
試験科目:権利関係・宅建業法・法令上の制限・税と価格に関すること、の全4科目
試験の内容:マークシートによる多肢択一試験。全50問。
合格基準:全50問中35問正解(令和元年度)
新型コロナウイルスの影響で、例年のように大学等の試験会場を借りる事が困難となっております。
令和2年度の宅建士試験は会場が不足したため、岩手県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、岐阜県、京都府、大阪府、奈良県、福岡県の11都道府県において、10月18日と、12月27日の二日間に試験日が分割されて実施されました。
令和3年度の試験においても同様に、10月試験の定員を上回る申込があった場合、令和3年10月17日と12月19日の二日間に分けて試験を実施します。
試験日については8月25日までにハガキで通知いたします。詳しくは不動産適正取引推進機構のホームページでご確認ください。
宅建士の資格取得を目指して勉強することは自身のスキルアップにもなりますし、取得すると就職・転職する際に選択肢の幅が広がるので、国家資格の中でもダントツの人気があります。
本サイトで過去問解説している「司法書士試験」と「行政書士試験」の出願者数と比べてみても、司法書士試験の令和2年度の出願者が14,431人、行政書士試験の令和元年度の出願者が54,847人であるのに対して、宅建士試験の令和2年度の出願者は10月実施分で204,163人、12月実施分で55,121人と、出願者数を見るだけでも宅建士試験は人気である資格であることが分かります。
宅建士試験の実施は1年に1回のみです。
合格点は、平成29年度は全50問(50点満点)中35点、平成30年度は37点、令和元年度は35点 令和2年度は38点でした。つまり全体の7割~7割強の点数を取らなくてはならず、宅建士試験は試験範囲が広く高度な専門知識が要求されるので簡単に合格することはできません。
しかし試験はマークシート方式で実施されることや、一般書籍や予備校に通うことで試験対策がしっかりと出来るので、初めて法律を勉強する方にも取り組みやすい試験となっています。
宅建士試験に合格するには?
宅建士試験に合格するための勉強方法を、次の3つのパターンに分けて紹介します。
- 宅建士試験が初めての法律系試験の受験の方
- 司法書士や行政書士等、他の法律系試験の合格者、又は合格に向けて勉強していた方
- 今現在、宅地建物取引業に従事している方
1.宅建士試験が初めての法律系試験の受験の方
宅建士試験が初めての法律系試験の受験の方の多くは、予備校に通って勉強するか、通信教育で勉強して合格される方が多いようです。
宅建士試験は高度な法律の知識が要求される難関の国家資格です。初めて法律を勉強する際には、難しい法律用語に戸惑うこともあるでしょう。
予備校や通信教育では、受験指導のプロが構成したカリキュラムに則って勉強を進めることができます。テキストや問題集も受験指導校の講義にリンクしたものが提供されますので、短期間で効率よく合格を目指せます。
また宅建士試験は、社会人が多く受ける試験なので、決まった曜日に予備校に通うことが難しかったり、家庭と予備校の場所が遠かったりする関係から通信教育で勉強する方も多いようです。
最近は、ネット環境の発展によって、沢山の充実した通信教育の講座が提供されています。予備校に通うよりも低価格で講義を受講できるのも、通信教育で勉強するメリットでしょう。
受験生に人気の通信予備校は、『LEC(東京リーガルマインド)』さん、『アガルート』さん、『資格スクエア』さん、『スタディング』さん、『スタケン』さん、『フォーサイト』さん、『クレアール』さん、『オンスク.JP』さんです。(予備校名をクリックすると、各予備校の紹介記事がひらきます。)
上記で紹介した予備校のカリキュラムには、忙しい受験生がスキマ時間を有効活用して効率的にインプットからアウトプットまで終わらせることができるための工夫が随所にされています。
宅建試験の合格点は令和2年度は10月実施分が38点、12月実施分が36点でしたから、満点を狙う必要はないのです。良く出るところ、得点しやすいところをしっかり学習して知識を定着させることが、合格への近道なのです。
「良く出るところ、得点しやすいところ」を独学で把握するのは難しいと思いますが、通信予備校では過去の試験の緻密な分析からそれを把握しているので、確実に抑えるべき範囲は重点的に、その他の範囲は余分な時間をかけることなく勉強できます。
2.司法書士や行政書士等、他の法律系試験の合格者、又は合格に向けて勉強していた方
他の法律系試験の合格者や、合格に向けて勉強していた方は、法律系試験の勉強の方法を知っていて、法律に関する知識もあります。
司法書士試験や行政書士試験の勉強をしていた方は、宅建士試験の試験科目でもある民法や商法の知識があるので、宅建試験向けには、それ以外の試験科目の勉強をプラスαで勉強するだけで合格できます。
「独学」とは、本屋さんで買える参考書や問題集を自分で買って、自分で勉強計画を立てて自分のペースで勉強しながら合格を目指す勉強方法です。
独学で勉強する方に支持されているテキスト・過去問集は、宅建学院から出版されている「らくらく宅建塾」シリーズです。
らくらく宅建塾のテキストは、難解な法律用語や言い回しを、独学者にも分かりやすいように、例えば「心裡留保(しんりりゅうほ)」は「じょうだん」に、「善意有過失(ぜんいゆうかしつ)」は「うっかり」にといったように、とても易しい言葉に置き換えて説明してくれます。
また、覚えにくい知識を印象に残るゴロ合わせで紹介してくれます。本試験で緊張してパニックになっても、ゴロ合わせから反射的に覚えた知識を引っ張り出して解答をすることができるので、ゴロ合わせを覚えておくことは本試験にとても役立ちます。
3. 宅地建物取引業に従事している方【宅建士試験 5問 免除制度】
今現在、宅地建物取引業者にて勤務されている方は、『宅建士登録講習』を受講することが出来ます。そして、その講習後に行われる修了試験に合格すると、「登録講習修了者証明書」が交付され、宅地建物取引士資格試験(宅建試験)において、問題の一部(5問)が免除されるのです。有効期限は修了試験に合格した日から3年以内です。
- 宅地建物取引業に従事していること
- 有効な「宅建業従業者証明書」を所持していること
国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関一覧はこちら
宅建士試験を受ける方へ
宅建士試験は、国家資格の中でもダントツの人気を誇る資格試験です。また、法律系科目の資格試験の登竜門的な位置づけでもあります。宅建士試験の合格に向けて勉強して得た知識は、例えば司法書士試験や行政書士試験の取得など、ダブルライセンス・トリプルライセンスを目指す際にも役立ちます。
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