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予備試験とは
司法試験を受験する方法は2つ
弁護士・検察官・裁判官になるには司法試験に合格しなければいけないという事は周知の事実です。その司法試験の受験資格を得る為には、
①法科大学院を修了する
②予備試験に合格する
この2通りあるルートのうち、①と②どちらかの条件を満たす必要があります。
予備試験は、法科大学院に通わずして司法試験を受験する資格を得ることが出来る国家試験の事で、要は法科大学院に通った人と同等の知識や能力があるのかどうか、を判定する試験です。
試験は、5月に実施される【短答式試験】を皮切りに、7月に【論文式試験】、10月に【口述試験】という予定で行われ、この3つの試験に順次合格していかなければいけません。
もしも5月に実施される短答式試験に不合格になった場合、7月の論文式試験の受験資格は得られません。短答式試験に合格したとしても論文試験が不合格になれば、10月の口述試験は受けることが出来ません。
予備試験に合格すると、最終合格発表後の最初の4月1日から5年間の期間(受験期間)において最大5回、司法試験を受験できます。
予備試験はあくまでも司法試験の受験資格を得るための大きな通過点です。その後、司法試験を受験して合格した人は、司法研修所で司法修習を1年間行い、さらに司法修習終了時の試験(二回試験)に合格して初めて法曹資格を取得できるのです。
予備試験のメリットについて
予備試験の合格率は3%から4%と、難易度が非常にハードルが高く狭き門です。
しかし、予備試験と司法試験の試験制度には多くの共通点があり、予備試験ルートの司法試験合格者は2018年度で77.6%、2019年度は81.8%と、『予備試験合格者の司法試験の合格率は高い』という結果が出ています。
予備試験の学習で習得した法律知識がダイレクトに生かされ、それが司法試験合格へと必ず繋がっていきますので、この辺りは”予備試験ルート”の大きな利点の一つといえるでしょう。
法科大学院とは
法科大学院とは、法曹(弁護士・検察官・裁判官)を養成する専門職大学院です。2020年度に募集があった法科大学院は、全国で35校ありました。大学の法学部出身者はもちろんの事、他学部の卒業生や4年制大学を卒業している社会人も入学可能です。
大学で法学をすでに学んでいる場合は2年制コース、法学を学んでない場合は3年制コースを受験するのが一般的ですが、法科大学院に進学すると、2年または3年間の在学期間を終了するまでに、およそ200万から600万程度の費用がかかるため、経済的負担が大きいです。
予備試験と法科大学院の違い
司法試験受験資格を得る方法 | ||
予備試験ルート | 法科大学院ルート | |
条件 | 予備試験に合格する事 | 法科大学院を修了する事 |
費用 | 受験費用 17,500円 +(スクール費用) | 学費 200~600万 |
期間 | 最短1年間で司法試験受験資格を得れる | 法学を学んだ人は2年・未修者は3年 |
概要 | 学歴年齢不問、何度でも挑戦可 | 4年制大学を卒業又は卒業する見込みがある人 |
法科大学院ルートの新コース
法学部を3年で早期卒業したあと法科大学院に2年通う新コース『法曹コース』の創設が閣議で決定しました。2020年度に2年次へ進学する方から法曹コースを選択できます。
法科大学院を修了するまで最短5年となるこの新たな法曹コースの実現により、大学の学費が1年分節約でき、順調にいけば1年早く実務につき経験を積むことも出来ます。
予備試験の概要と日程
以下、延期後の実施日程です。詳細は法務省のHPにてご確認下さい。
試験 日程 | 2021年度 【短答】5月16日(日) 【論文】7月10日(土)11日(日) 【口述】10月23日(土)24日(日) 尚、実施日程につきまして、新型コロナウイルス感染症の状況によって更に延期となる場合がありますのでご注意ください。 |
受験 資格 | 学歴年齢不問 誰でも受験出来ます |
受験料 | 17,500円 |
願書受付期間 | 2021年3月1日(月)~3月12日(金)まで |
試験 方法 | 筆記試験・口述試験 |
予備試験 試験科目 | |
【短答式試験】 | ・民法、商法、民事訴訟法(1時間30分) ・憲法、行政法(1時間) ・刑法、刑事訴訟法(1時間) ・一般教養科目(1時間30分) |
【論文式試験】 2日間 | ・憲法、行政法(2時間20分) ・刑法、刑事訴訟法(2時間20分) ・一般教養科目(1時間) ・法律実務基礎科目[民事・刑事](3時間) ・民法、商法、民事訴訟法(3時間30分) |
【口述式試験】 2日間 | ①法律実務基礎科目 (民事) ②法律実務基礎科目 (刑事) |
合格 発表 | 2021年度 【短答】6月3日(木) 【論文】10月7日(木) 【最終】11月5日(金) |
上記の実施日程につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況によって更に延期となる場合がありますのでご注意ください。
予備試験を受ける方へ
予備試験は誰でも受験することが出来る上に、受験回数に制限がありません。早いうちから自分に合った効率の高い学習方法を取り入れて、予備試験にチャレンジすることが得策です。
大学の法学部在学中に法科大学院の入試対策として予備試験の勉強を行い、予備試験と法科大学院を併願で受験したり、法科大学院に通いながら予備試験を受験したりと、たとえその時に予備試験に合格が出来なくても、後々の司法試験受験の際に予備試験の勉強の経験が生きてくるはずです。
万が一予備試験に不合格になり、法科大学院ルートに進むことになったとしても、予備試験は司法試験と試験の科目や出題形式においても重なる部分が多くあるため、予備試験の知識がプラスになる事はあっても不利になる事は一切ありません。
予備試験合格はハードルが高いのも事実ではありますが、社会人も法学部の学生も、法曹への第一歩として積極的に予備試験対策から始める方がメリットが多いといえるでしょう。
予備試験をより詳しく知るためのおススメ書籍
ここまでで、予備試験の概要を掴んで頂けたかと思います。予備試験のことをもっと詳しく知りたいという方に向けて、おススメの書籍を3冊紹介致します。
『司法試験・予備試験 この勉強法がすごい!』は、『公認会計士有資格者jijiたんが予備試験ルートで司法試験に合格したブログ』で同じみの、勉強法を知り尽くしたjijiたん(平木太生先生)が書かれた本です。2019年1月に発売されました。
「試験に合格するかどうかは勉強方法次第。勉強方法を変えれば人生が変わる。」という合言葉のもとに、jijiたん自身が実践していた”予備試験を一発突破して司法試験に合格した45の勉強法と、科目別攻略法”が紹介されています。
勉強法の本というと構えて読んでしまいそうですが、この本はjijiたんさんの実体験に基づいてなるべく平易な言葉で紹介してくれているので、読み進めていくうちに「もっと知りたい!」という気持ちになって、ドンドンとページをめくっていきたくなる内容になっています。
予備試験の”勉強法”を知るために、まず始めに手に取りたいおススメの1冊です。
『司法試験予備試験に独学合格する方法』は、弁護士であり、「資格スクエア」の代表を務める鬼頭政人先生が書かれた本です。
司法試験・予備試験の概要から、短答式・論文式試験を突破するため詳細な情報までが書かれており、この1冊の中に、予備試験に合格するための必要なことが全て網羅されています。
この本では、合格するためには”自学自習”をすることが大切だと述べられています。予備試験に合格するには、“正しい勉強法”で、”効率よく”、”学習を継続”することが大切です。勉強計画を立てる段階から本試験を受けるまでの各タームで意識すべきポイントが分かりますので、学習を進める際に大変参考になると思います。
『伊藤真が教える司法試験予備試験の合格法』は、司法試験・予備試験を始めとした法律系資格試験予備校大手「伊藤塾」の代表を務める伊藤真先生が書かれた本です。
司法試験・予備試験を知り尽くした受験界のカリスマである伊藤真先生が、予備試験を受験するメリットや、最短ルートで合格するための効率的な勉強法などを詳しく紹介しています。
また、初学者が知っておくべきこと(予備試験では、どのような問題が出題されるのか、どのような人が合格するのか、科目別攻略法etc.)を、最新の情報を交えて解説しています。
予備試験に合格するには?
予備試験は3%~4%の合格率という超難関試験です。よって資格予備校に通ったり、スマートフォンなどで学べる通信(オンライン)講座などを利用するのが一般的です。
特に、自分のペースで学習を進めて行けるオンライン講座は、忙しい社会人でも働きながら隙間時間を利用して勉強が出来ますし、経済的負担も軽くて済むのでお勧めです。
予備試験の受験者向けに各オンライン資格スクールが様々な学習プランを打ち出しており、『予備試験に1年で合格出来る講座』、『129,800円で予備試験合格へ導いてくれる講座』、『たった5期で100名以上の合格者を出した講座』などもあります。
最近では、予備試験短答式試験の過去問やテキストを学習したAIが、本試験で出題される問題をまとめた予想問題集なども開発されています。
予備試験の合格基準と同水準の出題予測的中率60%を記録している予備試験担当試験の模試『未来問』は、資格予備校大手の『資格スクエア』が開発しました。
このような最先端技術を駆使して作られた模試などもどんどん活用して、予備試験にチャレンジしてもらいたいなと思います。
2020年以降に実施される予備試験は、改正民法に基づき出題されますので、今までの現行民法を学習された経験がある方も、独学または各スクールの改正民法講座などを受講するなどして、変更点や重要なポイントを把握し、対策を万全に整えておいてください。
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