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民法は私たちにとって一番身近な法律です。契約をする場面など、私たちがしている法律行為は、多くの場合、民法の規定に準じています。
民法が試験科目の資格試験は沢山あります。民法が試験科目となっている資格試験を勉強される方の多くは、まず始めに民法を勉強するのではないでしょうか?
なぜなら、民法を学び理解することができたら、民法の考え方を基本として他の法律を理解することが容易になるからです。民法はすべての法律の基礎となっていると言っても過言ではありません。
「ワカメの民法が試験科目の資格試験」シリーズでは、民法が試験科目になっている資格試験を毎回一つ取り上げて紹介します。
勉強して得た民法の知識を活かして、資格試験に挑戦してみませんか?
司法書士とは?
登記業務
例えば、家や土地を買う時には所有権の帰属関係を明確にするために所有権の登記をします。会社を設立する時には、会社の設立登記をします。
一般のサラリーマンにとって「家を買う」ことは人生にそう何度もあることではなく、一生に一度の大きな買い物です。「会社を設立する」ことは、“法人”という新たな人格を生み出し、事業を新たに開始するためのとても重要な行為です。
このような重要な場面で登場する登記には、さまざまな権利関係が交錯することになります。登記業務を円滑・確実に遂行するために、国は登記業務を法律・登記の専門家である司法書士の独占業務としています。
裁判事務
司法書士事務所又は司法書士法人が、テレビで「過払い金返還請求」のCMを流しているのを見たことはないでしょうか?過払い金返還請求は、司法書士の訴訟代理権に基づいて実施されています。
また、簡易裁判所では本人訴訟(=訴訟代理人不在で本人が訴訟行為を遂行する訴訟)がされることも珍しくありません。ただ、法律に明るくない本人が訴訟行為をすることは本人にとっても訴訟を円滑に進める上でも好ましくありません。司法書士には簡易裁判所における訴訟のエキスパートとしての役割が期待されています。
(※)訴訟代理権を得るための研修を受けて、試験に合格した司法書士(=認定司法書士)に限られます。
成年後見制度
認知症や障害によって自分で正常な判断が出来なくなっている場合、不動産や預貯金の管理や、契約を結ぶことが困難になります。自分の財産が管理出来なくなった方の財産管理をする業務は、司法書士の仕事の一つです。成年後見制度によって他人の財産を管理することになる司法書士には高度な法律知識が求められ、重大な職責があります。
遺言・相続・家族信託
最近では、相続対策として又は成年後見制度に代わる高齢者の認知症対策として「家族信託」の設計や登記の仕事も増えてきました。
このように、司法書士の業務は多岐にわたります。司法書士は、街の法律家として身近な存在である一方で、私たちの人生を左右する場面にも携わる法律の専門家です。
司法書士になるには?司法書士試験について
司法書士になるには、司法書士試験に合格しなければなりません。司法書士試験は、国家資格の中でも難関資格と言われており、合格率は例年3~4%の狭き門となっています。
注:令和2年度はコロナの影響で、下記日程から変更して実施されました。
試験日:毎年7月の第1日曜日
試験時間:9:30~11:30, 13:00~16:00
受験資格:誰でも受験できます。年齢、性別、学歴等に制限はありません。
受験料:8000円。収入印紙で納付します。
受験申請受付期間:例年、ゴールデンウィーク明けからの2週間
試験科目:憲法・民法・刑法・商法/会社法・民事訴訟法・民事保全法・民事執行法・司法書士法・供託法・不動産登記法・商業登記法の全11科目
試験の内容:マークシートによる多肢択一試験、記述式試験。
多肢択一試験は、午前の部及び午後の部で出題。各35問105点満点。
記述式試験は、午後の部で出題。2問70点満点。合計280点満点
合格基準:午前の部及び午後の部の多肢択一試験、記述式試験の基準点を超え、総合合格点に達している者
司法書士試験の実施は1年に1回のみです。
司法書士試験が難しいとされる理由の一つに、試験科目が全11科目と多く、試験範囲が広い上に深い知識が要求されることにあります。
また、基準点(いわゆる足切り点)が設定されており、択一試験・記述試験のうちひとつでも基準点に達していないと、それだけで不合格となります。択一試験が基準点に達していないと、記述試験の採点さえしてくれません。
多くの受験生は2~3年、又はそれ以上の勉強期間を経て合格しています。
司法書士試験に合格するには?
司法書士試験に合格するための勉強の仕方には、「独学で勉強」するか、「通信教育」で勉強するか、「予備校に通って」勉強するかの3つのルートがあります。それぞれの勉強方法について見ていきましょう。
独学で勉強する
司法書士試験は試験範囲が広く、内容も難しいため、独学で合格することは難しいとされてきました。しかし近年では、独学するのに適した参考書や問題集が発売されていることもあり、独学で合格することも不可能ではないとされています。
独学で勉強する人から絶大な支持を得ているのは、早稲田経営出版から発売されている『司法書士 山本浩司のautoma systemシリーズ』です。受験生からは「オートマ」という愛称で親しまれています。オートマシリーズは、独学で勉強しやすいように難しい法律用語を易しい言葉で分かりやすい言葉で説明してくれるので、あたかも山本先生の講義を受けているかのように読み進めることができます。
司法書士 山本浩司のautoma system (1) 民法(1) (基本編・総則編) 第9版 (W(WASEDA)セミナー 司法書士)
テキストの途中途中で知識が定着しているかを確認するために、過去問を載せてくれているので、勉強した内容を過去問を解くことで頭に入っているかを確認することができます。
通信教育で勉強する
ネット環境の発達により、通信教育の環境も格段に発展しています。
現在、『LEC(東京リーガルマインド)』、『アガルート』、『資格スクエア』、『スタディング』、『東京法経学院』、『クレアール』、さん等が、受験生に特に人気のようです。
予備校に通って勉強する
予備校は受験指導のプロなので、毎年多くの合格者を輩出しています。過去の試験の緻密な分析に基づいたカリキュラムが組まれており、テキストや問題集も講義に沿って勉強しやすいように工夫されて作成されています。
司法書士試験の勉強は長期戦です。講師との相性は、勉強を続けるモチベーションに大きな影響を与えます。予備校講師のサンプル講義はYoutubeで見ることが出来るので、視聴してみて気に入った講師のいる予備校に申し込むのがお薦めです。
司法書士試験を受けるかどうか迷っている方へ
司法書士の仕事は本当に奥深く、司法書士試験はとても難関な試験です。
この記事を読んで、もっと司法書士の仕事や試験について知りたいと思った方は、司法書士の仕事や試験勉強について詳しく書かれた書籍を読んでみてはいかがでしょうか。
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ワカメの「民法が試験科目の資格試験」紹介
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