私は司法書士試験合格後、資格登録を済ませて、現在は司法書士として働いています。これまでの主な業務は、不動産仲介業者や銀行を介した不動産売買や担保設定に伴う不動産登記業務や、設立や役員変更等の商業登記業務でしたが、最近は相続に伴う不動産や預金等の遺産承継に関する相談や依頼が増えてきました。
相続業務に携わっている中で、「もっと相続について体系的に勉強したいな」と思うようになりました。それには「相続に関する資格の勉強をするのがいいな」と思い、相続関係の資格について調べました。調べているうちに、相続に関する資格/検定試験は沢山あることが分かりました。
相続に関する資格を取得することは、私のような司法書士だけではなく、税理士や金融機関従事者・不動産業者などの相続業務に携わる方にとっても有用だと思います。又、相続に関する問題は誰にでも起こり得る身近なこととして、一般の方にも関わりが深いことです。
今回は、今注目の資格「相続検定」についてご紹介します。相続について学びたいと思う方にとって、今回ご紹介する内容が参考になりましたら幸いです。
『相続検定』とは?
私がざっと調べたところ、20以上の相続に関する民間資格/検定試験がありました。その中でも、一定数の受験者/合格者がいて、私が興味を惹かれたものを挙げてみます。
資格/検定名 | 実施団体 |
①相続検定 | 一般社団法人 日本金融人材育成協会 |
②相続診断士 | 一般社団法人 相続診断協会 |
③相続アドバイザー | NPO法人 相続アドバイザー協議会 |
④相続士® | NPO法人 日本相続士協会 |
⑤相続実務検定 | 一般社団法人 金融検定協会 |
相続検定 実施概要
「相続検定」は、「一般社団法人 日本金融人材育成協会」が実施する相続に関する専門的、実務的な知識及び能力を身につけていることを証明する検定試験です。
2019年に創設された新しい検定試験で、第1回相続検定2級試験は2019年10月20日(日)に実施されました(1級の実施時期は未定)。相続に携わる業界での注目度が大変高く、先般開催されたセミナーは、申込者多数のため急遽追加開催されるなど、大盛況でした。
相続検定2級の試験科目は大きく「相続の基礎知識」「相続税の基礎知識」「相続対策とその他関連知識」の3つがあります。予備校等に通わずに試験のみを受けることも出来ますが、資格の学校TACで相続検定に関する専門講座が開講されていて、相続検定に関する全てを学ぶことができます。
相続検定(2級) 実施概要 | |
受験資格 | 特になし |
試験日 | 年に2回、毎年3月と10月に実施。 第4回試験2021年3月14日(日) |
試験時間 | 13:30~15:00(120分) |
試験形式 | 四肢択一式問題50問(マークシート方式) |
試験科目 | 「相続の基礎知識」「相続税の基礎知識」「相続対策とその他関連知識」 |
受験地 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡 |
申込期間 | 第4回の試験申し込みは「2021年1月6日(水)~2月9日(火)」 |
合格基準 | 60点以上 |
合格発表 | 試験終了後、1ヶ月以内に郵送 |
受験料 | 4,400円(税込) |
「相続検定 公式HP>>」 |
相続検定2級 試験結果
2019年に実施された初めての相続検定(第1回)2級からの試験結果です。
申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 平均点 | |
第1回 | 369名 | 295名 | 105名 | 35.6% | 54.1点 |
第2回 | 250名 | 83名 | 41名 | 49.4% | 60.0点 |
第3回 | 308名 | 230名 | 107名 | 46.5% | 56.9点 |
『相続検定2級』に合格するには?
『相続検定』は2019年に新設された検定試験です。合格者の合格体験記等から勉強方法を参考にすることは難しいです。
公式サイトの「学習方法について>」というボタンリンクをクリックすると、資格の学校TACの相続検定のページへ遷移します。
『相続検定』には1級と2級がありますが、1級の実施時期は未定なので、TACの講座も2級の対策講座のみ開講されています。
TACの相続検定2級対策講座『2級本科生』は、全10回で合格に必要な基礎知識から検定試験で問われるポイントまでを効率的に学ぶ講座になっています。
相続検定2級の対策方法と取得メリット等についてもっと詳しく知りたい方は、是非公式サイトをチェックしてくださいね。
おまけ:『相続診断士』
「相続診断士」は、「一般社団法人 相続診断協会」が実施する相続の基本的な知識を身につけて相続診断ができる資格です。
相談者から現状をヒアリングして相続診断を行い問題点を明確化させた後、弁護士や司法書士・税理士等の相続業務に関する専門家へつなぐ役割も行います。相続問題を抱える相談者の窓口として、最適な解法を見つけ出す専門家として活躍が期待されています。
合格後には「笑顔相続ノート」や「相続診断士の為の便利グッズカタログ」などの、相続が”争族”にならないためのアプロ―チツールが届きます。
相続診断士(初回個人受験) 実施概要 | |
受験資格 | 特になし |
試験日 | 全国の実施会場にて、都合の良い日を予約 |
試験時間 | 60分 |
試験形式 | ○×、三肢択一、穴埋め方式 合計で60問 |
試験科目 | ・コンプライアンス 10問(20点) ・民法相続編 15問(15点) ・相続税 15問(20点) ・相続税穴埋め 12問(24点) ・法定相続分 3問(9点) ・基礎控除 2問(6点) ・小規模宅地 3問(6点) |
受験地 | CBT方式による全国260ケ所以上の会場 |
申込期間 | 受験申し込み日の21日目以降~3ヶ月先を受験日として予約可。 |
合格基準 | 70点 |
結果発表 | 試験終了時に画面上に結果を表示し、試験結果レポートを当日配布。 |
受験料 | 38,500円(税込。テキスト・講義動画・受験料・認定料込) |
「相続診断士 公式HP>>」 |
ワカメの「民法が試験科目の資格試験」紹介
第18弾:相続検定 ←今ココ!
予備試験ブログまとめサイト