「ワカメの民法が試験科目の資格試験」紹介シリーズ。今回は、マンション管理士試験について解説します。
マンション管理士とは?
マンション管理士は、管理組合やマンションの住人からの相談に対して、マンション管理に関する専門知識をもって助言やアドバイスをおこないます。
例えば、管理組合の運営や、大規模修繕の実施時期や構造上の技術的な問題に関する相談、清掃等のマンションの日常の維持管理についてなど、マンションに関する相談内容は多岐に渡ります。
マンションを適切に管理していくために、マンション管理士は幅広い内容の相談に対応していく必要があります。
マンション管理士は「名称独占資格」です。
マンション管理士以外の者が、『マンション管理士』又は、マンション管理士に似た紛らわしい名称を名乗ることはできません。例えば、名刺や看板に「マンション管理士○○」と表記すると、30万円以下の罰金に処せられます。
マンション管理士試験の内容
マンション管理士の試験問題は下記4つの分野から50問出題されます。
試験形式は、4つの選択肢の中から一つを選ぶ「四肢択一式」のマークシート方式です。また「管理業務主任者試験」の合格者には、マンション管理適正化法5問が免除されます。
(1)マンションの管理に関する法令及び実務に関すること | 建物の区分所有等に関する法律、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、マンションの建替え等の円滑化に関する法律、民法(取引、契約等マンション管理に関するもの)、不動産登記法、マンション標準管理規約、マンション標準管理委託契約書、マンションの管理に関するその他の法律(建築基準法、都市計画法、消防法、住宅の品質確保の促進等に関する法律等) 等 |
(2)管理組合の運営の円滑化に関すること | 管理組合の組織と運営(集会の運営等)、管理組合の業務と役割(役員、理事会の役割等)、管理組合の苦情対応と対策、管理組合の訴訟と判例、管理組合の会計 等 |
(3)マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること | マンションの構造・設備、長期修繕計画、建物設備の診断、大規模修繕 等 |
(4)マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること | マンションの管理の適正化の推進に関する法律、マンションの管理の適正化に関する指針 等 |
試験日程・受験料
マンション管理士試験の実施は1年に1回のみで、合格率は例年8~9%前後の狭き門となっています。合格率から見ると、国家資格の中でも難関資格であると言えます。
試験日:筆記試験 例年11月の最終日曜日
試験時間:13:00~15:00
受験資格:年齢、学歴等に関係なく、誰でも受験可。
受験料: 9,400円 (非課税)
受験申請受付期間:例年9月の約1か月間
試験科目:
①マンション管理に関する法令及び、業務に関すること
②管理組合の運営の円滑化に関すること
③マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること
④マンションの管理の適正化の推進に関わる法律に関すること
試験の内容:マークシートによる多肢択一試験
合格基準:出題50問・50点満点、合格ラインは34~38点です。
受験者数・合格者数・合格率
年度 | 申込(人) | 受験者(人) | 合格者(人) | 合格率(%)※対受験者 |
---|---|---|---|---|
24 | 18,894 | 16,404 | 1,498 | 9.1 |
25 | 17,700 | 15,383 | 1,265 | 8.2 |
26 | 17,449 | 14,937 | 1,260 | 8.4 |
27 | 16,466 | 14,092 | 1,158 | 8.2 |
28 | 16,006 | 13,737 | 1,101 | 8.0 |
29 | 15,102 | 13,037 | 1,168 | 9.0 |
30 | 14,227 | 12,389 | 975 | 7.9 |
R1 | 13,961 | 12,021 | 991 | 8.2 |
R2 | 14,486 | 12,198 | 972 | 8.0 |
マンション管理士を目指すのに年齢は関係なく、受験者には50代・60代の方も沢山います。十分な社会経験を積んだ後に、新たなステップとしてマンション管理士を目指す方が多いようです。
令和2年度は、50代の受験者が最も多く、次いで40代、60代、30代となっており、多くの国家資格の受験者の中心層である20代の受験者は、20~60代の中では最も少ない結果となりました。
これは、マンション管理士の試験内容が、実務経験がある方のほうが解きやすかったり、自分の住むマンションのためにマンション管理士を目指す方が多いこと等に起因しているようです。
マンション管理士試験を受ける方へ
現在、国民の10人に1人、1200万人以上もの方がマンションで生活をしていると言われています。核家族化や少子化によって一戸建ての需要からマンションへの需要へとシフトしていたり、都市部の地価の高騰を考えると、今後もマンション住人の比率は高まると予想されます。
マンション需要が高まる今、マンション管理士は数ある有力国家資格のなかでも、極めて将来性が期待されている資格です。現段階では、マンション管理士に相談したくても、身近にマンション管理士がいないのが現状です。様々な場面で必要とされるマンション管理士の資格を今のうちに取得しておくことで、将来の展望が拓けるかもしれません。
マンション管理士試験に合格するには?
マンション管理士試験は難関資格であるため、独学で勉強して合格される方は少ないようです。多くの方は予備校に通って勉強されています。
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