民法条文解説・語呂合わせ

【民法86条】不動産と動産(わかりやすい条文解説)

条文解説 不動産と動産

今回は、民法86条「不動産と動産」について解説します。

ワカメちゃん
ワカメちゃん
不動産とは、土地とその定着物をいいます!
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。では早速見てみましょう。

民法86条 不動産と動産

不動産

86条 第1項 土地及びその定着物は、不動産とする。

こんぶ先生
こんぶ先生
“不動産”という言葉は、日常生活でも使いますので馴染みがありますね。

条文上は、不動産は「土地及びその定着物」とされています。

土地は、地面だけではなく、「空中」と「地中」も含みます。

こんぶ先生
こんぶ先生
空中と地中も土地の一部なので、例えば、自分の土地上の空中に送電線を通す時や、地下に水道管を敷設する時には、土地所有者の許可が必要になります。

土地の定着物とは、簡単にいうと「土地にくっついているもの」です。

こんぶ先生
こんぶ先生
「土地にくっついているもの」で思い浮かぶものにどんなものがありますか?
のりお
のりお
家や立木、石垣や土砂とかがあるなー。
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。それらを土地の定着物と言います。

定着物には前述したとおり、家や立木、石垣や土砂があります。家や立木は土地とは別個の不動産として扱われますが、石垣や土砂は土地の一部として独立の不動産とは認められません。

こんぶ先生
こんぶ先生
建物は常に土地とは別個独立の不動産として扱われますが、建築中の建物はどの段階で”建物”になるか分かりますか?
ワカメちゃん
ワカメちゃん
判例では、屋根をつけ、荒壁ができて雨風をしのげる状態になった段階で、建物となります。
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。また、立木は「立木法」という法律によって独立の不動産として扱われますので、不動産として譲渡したり、抵当権を設定したりすることができます。また、明認方法を備えれば、第三者に対抗することができます。

明認方法とは、例えば樹皮を削って名前を書いたり、標木を立てるなどして、自分が立木の所有者であることを公示する方法をいいます。

動産

第2項 不動産以外の物は、すべて動産とする。

こんぶ先生
こんぶ先生
“動産”という言葉は、日常生活ではあまり使わないですが、不動産以外の物は全て”動産”だとイメージしてください。みなさんが今手にしているであろうスマホやパソコン、シャーペン等は全て動産です。
のりお
のりお
金銭も動産なのか?
こんぶ先生
こんぶ先生
はい、金銭も動産です。但し、金銭は”価値そのもの”と考えるべきであって物としての個性を有しません。ですので、例えば民法192条の即時取得等、動産に適用される規定の多くは金銭に適用されません。
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こんぶ先生
こんぶ先生
また、特別法によって不動産と同様の取り扱いを受ける動産もあります。例えば、自動車(登録)や船舶(登記)などがそれに当たります。

無記名債権

第3項 無記名債権は、動産とみなす。

無記名債権の法律上の定義は、「証券に債権者を表示せず、債権の成立・存続・行使がすべて証券によってなされる債権」です。

のりお
のりお
無記名債権の定義が、チンプンカンプンで分からないんだけど・・・
こんぶ先生
こんぶ先生
確かに分かりにくいですね。例えば商品券やコンサートのチケットは無記名債権です。証券に債権者の氏名が書かれていないものをイメージするといいでしょう。

“債権”は”物”ではないですが、無記名債権は、商品券やコンサートのチケットのように目に見える”証券”として存在します。そのため、民法は”債権”である無記名債権を、”物”である動産とみなしています。

問題(穴埋め条文)

86条第1項( ① )とは、土地及びその定着物をいう。

第2項 動産とは、( ① )以外の物をいう。

第3項 ( ② )を動産とみなす。

定着物には土地の一部として独立の不動産とは認められないものと、土地とは別個の不動産と扱われるものとがある。土地の一部とは( ③ )や土砂、別個の不動産とは建物や( ④ )があります。


①不動産 ②無記名債権 ③石垣 ④立木

まとめ

こんぶ先生
こんぶ先生
今回は不動産と動産について解説しました。不動産と動産では、登記や引き渡しの方法、公示の公信力の有無において違いがあります。また、次回勉強していきましょう。
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