多くの司法書士試験合格者が受講する新人研修には、『ブロック新人研修』『中央新人研修』『配属研修』『特別研修』『各司法書士会が実施する単位会の新人研修』があります。
今回は、この中から『特別研修』の内容についてご紹介します。
『特別研修』とは?
『特別研修』は、司法書士が簡裁訴訟代理等関係業務を行うために必要な能力を修習するために実施されます。講義形式やゼミナール形式、法定傍聴など、研修形態は多岐に渡ります。
①所定の過程を全て受講し、②課題をすべて提出し、③研修内容を充分に理解したと認められると、修了認定を受けることができます。
近畿地区の実施日程は以下になります。
回 | 日程 | 時間 | 研修 |
1 | 1/26(土) | 10:00-18:10 | 基本講義Ⅰ・ガイダンス |
2 | 2/1(金) | 10:00-18:00 | グループ研修Ⅰ |
3 | 2/2(土) | 10:00-17:00 | ゼミナールⅠ |
4 | 2/3(日) | 10:00-18:00 | グループ研修Ⅰ |
5 | 2/5(火) | 10:00-18:00 | 実務研修 |
6 | 2/6(水) | 10:00-13:00 | 実務研修 |
7 | 2/8(金) | 10:00-18:00 | 基本講義Ⅱ |
8 | 2/9(土) | 10:00-17:00 | ゼミナールⅡ |
9 | 2/10(日) | 10:00-18:00 | グループ研修Ⅰ |
10 | 2/12(火)~15(金) | 法定傍聴(左記日程から1日) | |
11 | 2/16(土) | 10:00-17:00 | ゼミナールⅢ |
12 | 2/17(日) | 13:00-17:00 | グループ研修Ⅱ |
13 | 2/18(月) | 13:00-17:00 | グループ研修Ⅱ |
14 | 2/23(土) | 10:00-18:00 | 模擬裁判Ⅰ |
15 | 2/24(日) | 13:00-17:00 | グループ研修Ⅱ |
16 | 2/25(月) | 13:00-17:00 | グループ研修Ⅱ |
17 | 3/2(土) | 10:00-18:00 | 模擬裁判Ⅱ |
18 | 3/3(日) | 10:00-15:00 | 総合講義 |
研修は、初日を除いて、15~16名のグループに分かれて受講します。
初日:基本講義Ⅰ・ガイダンス(1/26(土)10:00-18:10)
特別研修の初日は、DVDによる講義でした。受講生全員が一つの教室に集まって視聴しました。
時間 | 研修名 |
受付 | |
10:00-10:05 | 特別研修ガイダンス① |
10:05-11:35 | 【基本講義】憲法 |
11:35-12:30 | 昼食休憩 |
12:30-13:25 | 要件事実の基礎 |
13:25-13:40 | 休憩 |
13:40-14:40 | 簡易裁判所における民事事件に特有な事項(1) |
14:40-14:55 | 休憩 |
14:55-16:00 | 簡易裁判所における民事事件に特有な事項(2) |
16:00-16:10 | 休憩 |
16:10-17:00 | 簡易裁判所における民事事件に特有な事項(3) |
17:00-17:10 | 休憩 |
17:10-18:00 | 特別研修ガイダンス② |
会場についたら、まず受付をします。受付を忘れると欠席扱いになり、修了認定が貰えなくなります><。
はじめに研修委員から簡単なガイダンスがありました。初日の受付は、朝の受付の他に、午後の講義が始まる前と、始まってからの2回しないといけないというアナウンスがありました。
憲法
憲法の講義では、「立憲主義と法の支配」や「基本的人権」について学びました。
法の支配のパートでは、特に「違憲審査制」について詳しく説明してくださいました。違憲審査の方法として「法令一般審査=条文そのものがダメ」「適用審査=規定そのものは概ね合憲だが適用事件が違憲」「処分審査=適用行為が違憲審査対象」のように、簡単な言葉で言い換えて教えて下さったので分かりやすかったです。
基本的人権のパートでは、三段階審査論を事例を用いて解説して下さったり、二重の基準論や新しい人権・法の下の平等・思想良心の自由・表現の自由・経済的自由等について説明してくださいました。
要件事実の基礎
要件事実の基礎の講義では、「要件事実とは何か?」「訴訟物」や「請求の趣旨・原因」、答弁書や抗弁等について学びました。
要件事実とは、一定の法律効果を発生させる法律要件に該当する具体的事実のことを言います。法律効果には、権利の発生・障害・消滅・阻止がありますが、それぞれについて図を用いて解説して下さって、とても理解が深まりました。
簡易裁判所における民事事件に特有な事項
簡易裁判所における民事事件に特有な事項では、簡易裁判所での手続きや役割、少額訴訟、調停・民事保全・起訴前の和解・支払督促等について学びました。
認定司法書士は、簡易裁判所と最も近い関係で業務をおこなうことになります。この講義で簡易裁判所での実務的な流れを知ることが出来て、とても役に立ちました。あと、少額訴訟等の簡易裁判所特有の訴訟や、支払督促等の手続きについてもおさらいができました。
特別研修ガイダンス
初日の最後は、研修を受ける姿勢や受付の厳格性、欠席する際の連絡先、各日程でやることの概要など、特別研修の全体的な受講の仕方について、研修委員からガイダンスがありました。
特別研修は、これからが本番です。次回は少人数でのグループ研修です。頑張ります!





