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民法条文解説・語呂合わせ

【改正民法20条】制限行為能力者の相手方の催告権(わかりやすい条文解説)

条文解説 民法20条制限行為能力者の相手方の催告権
こんぶ先生
こんぶ先生
今回は、民法20条の制限行為能力者の相手方の催告権について解説します!

民法第20条 制限行為能力者の相手方の催告権

第20条第1項 制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。

民法第20条第1項では、制限行為能力者と取引をした相手方が、制限行為能力者が行為能力者になった後に、本人に対して催告できる旨を定めています。

こんぶ先生
こんぶ先生
本条第1項で定める制限行為能力者とは、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人(同意権付与の審判を受けた被補助人)のことを言います。補助人には当然には同意権がないので、同意権付与の審判をしないといけないのでしたね。

※(旧)民法では、冒頭の”制限行為能力者”のあとに、「(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)」とありましたが、改正によって削除されました。

催告とは、制限行為能力者のした行為を追認するか否かを、一カ月以上の期間を定めて確答を求めることを言います。

制限行為能力者は保護しないといけませんが、制限行為能力者のした行為が、いつまでも取消し得る状態にあると、制限行為能力者と取引をした相手方の保護に欠け、取引の安全を図ることができません。本条では、相手方に催告権を与えることで、取引の安全を図っています。

制限行為能力者(制限行為能力者から行為能力者となった者)に対して、相手方が催告した場合に、制限行為能力者が確答を発しなかった時は、制限行為能力者がした行為は追認をしたものとみなされます。

こんぶ先生
こんぶ先生
元制限行為能力者は、単独で取消権を行使することができます。それにも関わらず、相手方の催告に対して確答を発しない場合は、その行為を確定する意思があると認められるからです。

第20条第2項 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。

第2項では、制限行為能力者の法定代理人・保佐人・補助人への相手方の催告権について規定しています。

法定代理人・保佐人・補助人へ相手方が催告した場合は、前項の元制限行為能力者に催告した場合と同じく、確答を発しない時は追認したものとみなされます。

こんぶ先生
こんぶ先生
法定代理人・保佐人・補助人も元制限行為能力者と同様に、単独で取消権を行使できますね。催告を受けたのに確答を発しない場合は、取消権を行使せずに追認する意思があるものとみなされて当然ですね。

第20条第3項 特別の方式を要する行為については、前二項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

”特別の方式を要する行為”とは、例えば、未成年後見監督人の同意が必要な場合のこと等をいいます。未成年後見監督人がついている場合は、未成年後見人は単独では確答を発することができません。

こんぶ先生
こんぶ先生
“お目付役”がいる時は、確答を発するのにその人の同意が必要になります。

お目付役がいる場合に相手方から催告を受けて確答を発しなかった場合は、その行為は取り消したものとみなされます

お目付役がいると、単独で追認や取消が出来ないので、その行為を確定する意思があるとは認められないからです。

第20条第4項 制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

被保佐人又は被補助人へ、相手方が保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をした場合に、被保佐人・被補助人が確答を発しない時は、前項と同様に、その行為は取り消したものとみなされます

理由は、前項と同じで、被保佐人又は被補助人には、その行為を確定する意思があるとは認められないからです。

こんぶ先生
こんぶ先生
4項には、未成年者・成年被後見人は含まれていません。なぜだか分かりますか?
ワカメちゃん
ワカメちゃん
未成年者と成年被後見人には、そもそも催告の受領能力がないからです。
のりお
のりお
受領能力がなけりゃ、催告しても無意味ってことだな。
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。被保佐人・被補助人には受領能力があるので催告の効果が生じますが、未成年者と成年被後見人には受領能力がないので催告の項かは生じません。

相手方の催告権のまとめ

こんぶ先生
こんぶ先生
相手方の催告権についてまとめておきましょう。まずは元制限行為能力者への催告です。

まず、元制限行為能力者が、行為能力者になった後に、相手方が元制限行為能力者に催告をした場合に確答を発しなかった時は、その行為は追認したものとみなされます。元制限行為能力者が未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人のいずれであっても、結果に違いはありません。

こんぶ先生
こんぶ先生
次に、未成年者・成年被後見人等への催告です。

未成年者・成年被後見人には受領能力がないので、本人へ催告をしても何の意味もありません。

これに対して、法定代理人・未成年後見人・成年後見人に催告をした場合に、その者が確答を発しない時は、その行為は追認したものとみなされます。ただし、特別の方式を要する場合は、取消したものとみなされます

こんぶ先生
こんぶ先生
次に、被保佐人・被補助人等への催告です。

まず、被保佐人・被補助人に催告した場合に確答が発せられない場合は、その行為は取消したものとみなされます

これに対して、保佐人・補助人に催告をした場合に、その者が確答を発しない時は、その行為は追認したものとみなされます。ただし、特別の方式を要する場合は、取消したものとみなされます

問題(穴埋め条文)

第20条第1項 制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、 ① )の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を ② )するかどうかを確答すべき旨の ③ )をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を ② )したものとみなす。


①一箇月以上 ②追認 ③催告

こんぶ先生
こんぶ先生
今回は民法20条の制限行為能力者の相手方の催告権について解説しました。
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