民法第19条 審判相互の関係
第19条第1項 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。
第2項 前項の規定は、保佐開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被補助人であるとき、又は補助開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被保佐人であるときについて準用する。
成年被後見人は、被保佐人・被補助人に重複してなることができません。成年被後見人が被保佐人・被補助人に、被保佐人が成年被後見人・被補助人に、被補助人が成年被後見人・被保佐人となる場合は、家庭裁判所はそれぞれ現審判を取り消す必要があります。
成年被後見人・被補助人・被保佐人まとめ
成年被後見人 | 被保佐人 | 被補助人 | |
事理弁識能力 | 欠く常況 | 著しく不十分 | 不十分 |
保護者 | 成年後見人 | 保佐人 | 補助人 |
同意権 | ×なし | ○あり。ただし13条1項各号列挙行為+同条2項により特に定められた行為に限る。 | △同意権付与の審判があった時にあり。ただし13条1項各号列挙行為の一部に限る。 |
代理権 | ○あり | △代理権付与の審判があった時にあり。 | △代理権付与の審判があった時にあり。 |
取消権 | ○あり | ○あり | ○あり |
追認権 | ○あり | ○あり | ○あり |
成年被後見人は事理弁識能力を欠く常況、被保佐人は著しく不十分、被保佐人は不十分な者です。
同意権は、成年後見人にはありません。保佐人には、13条1項各号列挙行為+同条2項により特に定められた行為について同意権があります。補助人には当然には同意権はありませんが、代理権付与の審判を受けた時には、13条1項各号列挙行為の一部に限り同意権を得ることができます。
代理権は、成年後見人には当然にあります。保佐人・補助人は、代理権付与の審判を受けた時に代理権を得ることができます。保佐人・補助人の代理権付与の審判を本人以外の者から請求する場合には、本人の同意が必要です。
取消権・追認権は、成年後見人・保佐人・補助人ともに当然あります。
問題(穴埋め条文)
第19条第1項 ( ① )をする場合において、本人が( ② )又は( ③ )であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。
①後見開始の審判 ②被保佐人 ③被補助人
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