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行政書士試験は難関試験です。予備校に通って勉強する方が多いようですが、勉強法を間違えなければ独学での合格も可能です。
今回は、行政書士試験の合格を独学で目指す方向けに、独学での勉強方法をご紹介します。
勉強時間
行政書士試験に合格するための勉強時間は平均で何時間くらいなのでしょうか?
行政書士試験は難関試験のため、1回で合格される方は少なく、2回・3回と受けて合格される方もいます。複数回受けている方は必然的に勉強時間が長くなりますが、1回で受かるためには、最低でも500時間は勉強時間にあてたいところです。
ただし、これはあくまでも私が考える最低値であって、人によって理解度や進捗度合が変わってきます。「1日にテキストを○ページ読む、過去問を○問解く」というノルマを決めて、それには○時間必要だという風に、必要な勉強時間は勉強”量”から逆算して考えてください。ネットなどで公表されている合格までの平均勉強時間は、あくまで参考程度にとどめておいた方が良いでしょう。
勉強の開始時期
仮に、自分は500時間の勉強で合格できると思った場合、1日3時間勉強したら5~6カ月程度、1日1時間だと16カ月程度の期間が必要になります。ただし、1日の勉強時間を少なくして長期間勉強するのは効率が良くありません。ご自身の環境に応じて、なるべく短期間で集中して合格できるように計画を立てることをおすすめします。
行政書士試験の試験日は、毎年11月の第2週の日曜日なので、1日3時間、約6カ月の勉強期間だと5月から勉強することになります。しかし、勉強を始めてからも、どうしても勉強出来ない日が出てくると思いますので、少し余裕を持った時期から始めるのが良いでしょう。あまりに詰め込み過ぎだスケジュールを立ててしまうと、うまく勉強が進まなかった時に軌道修正がしにくくなります。
勉強する順番
「法令科目」と「一般知識等」は平行して勉強する
行政書士試験は、大きく「法令科目」と「一般知識等」の科目があります。「法令科目」には、憲法・民法・商法・行政法・基礎法学があります。「一般知識等」には、政治・経済・社会・情報通信・個人情報保護・文章理解等があります。
私がおすすめするのは、学習当初から、「法令科目」と「一般知識等」を並行して勉強することです。かける時間の割合は「法令科目:一般知識等=9:1」あるいは「9.5:0.5」でも構いません。
合格者や受験生の話を聞いていると、多くは「法令科目」の勉強が一通り終わってから「一般知識等」を勉強する方が多いようです。私がなぜ平行して勉強することをおすすめするかというと、初学者が「法令科目」を先に勉強した場合、多くは当初の計画より大幅に遅れて「法令科目」の勉強が終わり、試験直前に時間がなくなって「一般知識等」の勉強が不十分なまま、本試験を受けることになってしまった方を多く見ているからです。
また、順調に勉強が進んでいても、試験が迫るにつれて、「法令科目」の勉強に時間をあてたくなってきます。そうすると、おのずと「一般知識等」の勉強が疎かになってしまう危険性があります。
勉強開始当初の、まだ余裕のある時期から「一般知識等」を勉強しておくことで、試験の直前期に「一般知識等」の勉強にあてる時間は軽減されてます。また、「法令科目」と「一般知識等」は全く毛色の違う科目ですので、「法令科目」を主に勉強し、”気分転換”的に「一般知識等」の勉強をすることもできます。
「法令科目」は民法から勉強する
民法は、すべての法令科目の根幹をなす科目です。民法で法的思考をまず身に着けてから他の科目へ進みましょう。また、民法は生活に身近な法律であるため、イメージがしやすい科目です。行政法は多くの方にとって普段の生活にはあまり馴染みがないため、いきなり行政法を勉強すると、イメージがしにくく挫折しがちです。民法で法律に慣れてから行政法の勉強をすると、比較的スムーズに頭に入ってくると思います。
また、民法・行政法は行政書士試験において出題比率の高い科目ですので、初めに時間をかけて、民法・行政法をマスターするようにしましょう。基礎法学・憲法は覚え方や考え方に近いものがありますので、1セットで勉強しましょう。商法は、行政書士試験においては出題範囲が広い割には出題数が少なく、考える科目というよりは、どちらかといえば覚える科目です。本試験に近い日に一気に過去問を中心に力技で覚えてしまいましょう。
択一式・選択式の知識がついてから記述式を勉強する
行政書士試験は、行政法と民法において記述式問題が出題されます。記述式問題の勉強は、択一式・選択式の知識がついてから勉強するようにしましょう。なぜなら、択一式・選択式の知識がないと、記述式問題の解答を書くことが出来ないからです。ある程度の知識が頭に入ってから、それらの知識を自分の頭で組み立てて文章にする訓練をしましょう。
勉強法
独学の勉強法は、人それぞれです。テキストを全科目一通り読んでから過去問を解く人もいますし、テキストを細かい単元で区切って一読してから過去問を解くというように、細かいスパンでテキストと過去問を行き来して勉強する人もいるでしょう。あるいは、いきなり過去問から解いて、分からないところをテキストで確認していく人もいます。
自分に合った勉強法で勉強するのが一番ですが、現時点で勉強法に特にこだわりが無い方は、「テキストを1単元読んですぐに過去問を解く」ことを繰り返す勉強法をおすすめします。テキストでインプットしたことを、過去問でアウトプットすることを小まめに繰り返していくことで、効率よく知識が定着していきます。
そして、過去問を解いたら、必ずその過去問は、テキストのどこに書いてある内容が前提になっているのかを確認するようにしましょう。そうすることで、テキストの内容が問題になった時にどのようにして出題されるのかが分かります。また、テキストのどの部分が過去問で良く出題されるのかを把握することができます。独学者にとって重要な部分=過去問によく出題される部分がどこなのかを把握することは大変重要です。
テキスト・過去問選び
独学者にとってテキスト・過去問選びはとても重要です。市販されているもので多くの方が使っている評判の良いテキストは、内容に遜色はありませんので、自分の好みのテキストを使うことをおすすめします。好みというのは、構成や字の大きさ、あるいは挿絵が多いのが好きなのか、など、自分の直感で構いません。
下の記事で、合格者が使っていて評判の良かったテキストをまとめていますので、テキスト選びの参考にしてください。
また最近は、低価格で高品質の講座を受講できるオンライン予備校が沢山あります。オンライン予備校を利用することで、完全なる独学よりも、効率良く学習を進められるはずです。独学するのとかかる費用もさほど変わりませんし、最短合格するための手段の一つとして、オンライン予備校の利用を検討しても良いかもしれません。
本サイトがおすすめする行政書士のオンライン予備校は、『資格スクエア』『アガルート』『フォーサイト』『スタディング』『クレアール』『L・A(エル・エー)』『たのまな(ヒューマンアカデミー)』のうちのいずれかです。
受講価格や受講スタイルにそれぞれ違いがありますが、上記に挙げた予備校であれば、講座内容やサービスの品質は保証されていますので、安心して受講できます。それぞれに特徴があるので、ご自身が良いと思った講座を受講されると良いと思います。
↓の記事に、それぞれの予備校の特徴をまとめましたので、ご参考ください。
さいごに
行政書士試験は、国家資格の中でも難関の試験です。行政書士は高度な専門知識を持って独占業務を遂行する必要があるので、それ相応の知識を持った人しかなることができません。
行政書士試験は、生半可な気持ちでは合格することは出来ません。しかし、「合格するんだ」という強い気持ちを持って努力を怠らなければ、必ず合格できる試験でもあります。行政書士試験には足切り点がありますので、不得意な科目を作ることなく、満遍なく得点できるように勉強開始当初から計画を立てて勉強するようにしましょう。強い信念を持って勉強を続ければ、必ず道は開けます。
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