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「消滅時効の起算点」と「履行遅滞の時期」は、似ているけれども違うところがあって、知識が混同しやすいもののひとつです。
「消滅時効の起算点」と「履行遅滞の時期」の比較
確定期限のある債権
確定期限のある債権は、消滅時効の起算点も履行遅滞の時期も期限到来の時です。
不確定期限のある債権
不確定期限のある債権は、消滅時効の起算点は期限到来の時、履行遅滞の時期は①期限が到来し、かつ債務者がこれを知った時、②期限到来後に債権者が催告した時です。
「債務者の父が死んだ時に借金を返す」という契約は、返還の時期が父が死んだ時という不確定な期限のある債権です。この場合、債権者が知らなくても、父が死んだ時に情け容赦なく消滅時効は進行します。
期限の定めのない債権
期限の定めのない債権は、消滅時効の起算点は債権成立の時、履行遅滞の時期は履行請求を受けた時です。
不法行為に基づく損害賠償債権
不法行為に基づく損害賠償債権は、消滅時効の起算点は被害者又はその法定代理人が、損害及び加害者を知った時、履行遅滞の時期は損害の発生時です。
債務不履行に基づく損害賠償債権
債務不履行に基づく損害賠償債権は、消滅時効の起算点は本来の債務の履行を請求できる時、履行遅滞の時期は請求を受けた時です。
消費貸借に基づく返還請求権
消費貸借に基づく返還請求権は、消滅時効の起算点は債権成立後、相当期間経過後、履行遅滞の時期は催告後、相当期間経過後です。
停止条件付債権
停止条件付債権は、消滅時効の起算点は条件成就の時、履行遅滞の時期は条件成就後履行請求を受けた時です。
同時履行の抗弁権付債権
同時履行の抗弁権付債権は、消滅時効の起算点は履行期、履行遅滞の時期は履行の提供を受けた時です。
比較表
消滅時効の起算点 | 履行遅滞の時期 | |
確定期限のある債権 | 期限到来の時 | 期限到来の時 |
不確定期限のある債権 | 期限到来の時 | 期限が到来し、かつ債務者がこれを知った時 |
期限の定めのない債権 | 債権成立の時 | 履行請求を受けた時 |
ゴロ合わせ(あるきき ふききし ないせいせい)
まずはこちらの動画ファイルの音声を聞いてみてください。
「あるきき ふききし ないせいせい
(ある期期 不期期知 ない成請)」
確定期限のある債権は、消滅時効の起算点は期限到来の時、履行遅滞の時期も期限到来の時です。
不確定期限のある債権は、消滅時効の起算点は期限到来の時、履行遅滞の時期は期限が到来し、かつ債務者がこれを知った時時です。
期限の定めのない債権は、消滅時効の起算点は債権成立の時、履行遅滞の時期は履行請求を受けた時です。
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