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今回の「のり男の合格体験記紹介」は、約40年会社勤めをした後、予備校に通って行政書士試験に2回目の挑戦で合格した新巻鮭さん(仮名)の合格体験記です。
以下、新巻鮭さんのインタビュー記事です。
行政書士試験を目指したきっかけ
私の生まれは長崎です。高校を卒業後、大阪に出て来て製鉄会社に就職しました。18歳から60歳までその会社で勤めて、定年を迎えました。定年後3年間は、関連会社で再雇用の契約社員として働きました。その後、少しの間は働かずにゆっくりして、今はマンションの管理人として週3回のアルバイトをしています。
再雇用の契約期間が満了して、自分の時間が出来た時に、ふと今までの人生でやり残したことをやってみたくなりました。やり残したことの一つが大学に行くことです。
高校生の頃、大学に進学したい気持ちを持っていましたが、経済的な事情から大学進学は諦めざるを得ませんでした。私は5人兄弟の長男で、下に弟と妹がいました。私が働いて実家に仕送りをすることで、実家の家計が助かっているのだと思うと、気持ちは満たされました。でも、ずっとどこかで大学に行きたかったという思いがありました。会社勤めをしていると、同じことをしているのに大卒と高卒では待遇に差があることもあって、何度も悔しい思いをしました。そういった経験も、大学への未練を断ち切れなかった理由の一つです。
そういったこともあって、再雇用の契約終了後に大学へ通おうと、大学の資料を取り寄せたり、インターネットで大学のことを調べたりしました。しかし、調べている途中に、「私は、”大学にただ通いたい”というだけで、”大学で何かを学びたい”という気持ちが強いわけではない」ことに気づきました。本来、大学は学びたいことがあって通うはずであるのに、私はその前提が欠けていることに気づいたのです。
それに、今から1・2年受験勉強をして大学に入ることが出来たとしても卒業するのは、その4年後です。その時には60代後半になっています。大学で学んだことを活かして社会に還元するには、年齢的にも体力的にも厳しく思いました。
そういった理由から、大学への進学は諦めたのですが、何か勉強をしたいという思いは持っていました。そこで目を向けたのが国家資格の取得です。会社勤めをしていた時は、ずっと管理部門にいたので、法律に関する知識も少しありました。「弁護士や司法書士・行政書士であれば、会社員時代の経験も活かせるかもしれない。」と思いました。
色々調べたところ、司法試験や司法書士試験は標準の勉強期間が数年もしくはそれ以上必要であることが分かったのですが、行政書士試験は比較的短い期間の勉強で合格できるという情報を見て、行政書士を目指すことにしました。
合格までの道のり
予備校に2年通い、勉強は主に予備校の自習室と自宅でしていました。勉強時間は、講義のある日は2~3時間、講義の無い日は5時間ほどでした。
予備校に通った理由
会社勤めをしていた時に昇進試験等はありましたが、久しく本格的な受験勉強からは遠ざかっていました。勉強する勘を取り戻すためにも、予備校で考えられたカリキュラムに沿って勉強することが良いと思いました。
予備校に通ってみて
久々にする勉強はとても面白くて、予備校に通うのが楽しみになっていたので、自宅から予備校までは電車で片道1時間ほどでしたが、通学は苦ではありませんでした。講師は私よりだいぶ年下でしたし、受講生の中では私が最高齢でしたが、講師も受講生の皆さんも壁を作ることなく優しく接してくれましたので、教室での居心地も良かったです。
肝心の勉強はというと…長い間勉強から遠ざかっていたからか、初めは全く理解することが出来ませんでした。講師が分かりやすく説明して下さって、その時は分かったつもりになるのですが、あとでテキストを読み返しても「これは何のことを言っているのだろう」と思うことが沢山ありました。また、初めは問題を解いても全然分かりませんでした。
それでも途中で投げ出さなかったのは、学ぶことに面白みを感じていましたし、講師の熱心なサポートや、まわりの受講生の頑張りに刺激を受けていたからです。もし予備校に通っていなかったら、途中で投げ出していたかもしれません笑
使用したテキスト
テキストは、予備校で支給されたテキストだけを使いました。正確にいうと、途中で行政法に関する本を読みましたが、1回読んでも頭に残っていることはわずかで、結局はテキストを何度も繰り返して読む方が記憶に定着することに気づきました。それからは予備校のテキストだけを使っていました。
使用した問題集
2年とも、問題集は予備校の問題集と、『合格革命 行政書士 肢別過去問集』を使っていました。
過去問集は、問題ごとに解いていく形式のものと、肢ごとに1問1答で解いていく形式のものがありますが、肢ごとに一つずつ丁寧に理解していきたかったので、私は肢別のものを使いました。
肢別の良いところは、学びたいテーマごとに出題年度関係なくまとめられているので、学びたいところだけ問題を解けるところです。あと、組み合わせの消去法で答えを出すことはないので、その肢の判断が正確に出来るか出来ないかで、自分の理解度を正確に確認できる点です。
勉強時間・勉強場所
勉強時間は、講義のある日は2~3時間、講義の無い日は5時間ほどでした。それ以上は、体力的に続かなかったので、無理をすることは無かったです。無理せず毎日コンスタントに決めた時間だけ勉強したことが、2年もの間勉強を続けられた理由かもしれません。
勉強は主に予備校の自習室と自宅でしていました。予備校の通学電車の中では、予備校の講義をイヤホンで聴いていました。
試験の直前や当日は、どんな感じ?
1回目の試験前は、「今年は合格は無理だ」と思っていたので、特に緊張することはありませんでした。1回目の試験は、来年の練習のために受ける感じでした。
もちろん、勉強を始めた時は、1回目で合格するつもりでした。ただ、勉強をしていくうちに、行政書士試験の難しさを知って1発合格は諦めました。よく「1年目で合格する気持ちで勉強しないと来年も受からない」という話は聞きますが、私は自分なりのペースで勉強をして合格を目指したかったので、そういった情報に惑わされることなく、途中で2年計画に変更しました。
2年目は、1年目で受講した予備校の講義を再受講し、一通り学習した内容を復習する勉強をしていました。2年という余裕を持ったスケジュールで勉強をつづけたこともあって、試験の直前期に慌てるようなことはなかったです。直前期もそれまでと変わらず淡々と勉強を続けていました。
合格発表の時は、どんな感じ?
2年目の試験後の自己採点では、択一・選択式に、記述式の点数を足して、180点超えるか超えないかというところだったので、あまり期待はしていませんでした。
そのような感じで合格発表を見たのですが、結果は合格。信じられませんでした。何かの間違いではないかと思って、何度も確認しましたが、そこに私の受験番号がありました。合格したんだと確信できた時に、嬉しさがこみ上げてきました。
これから行政書士試験の合格を目指す方へ
私は定年後に勉強したこともあって、脳の衰えを感じることが多々ありました。そんな私でも合格できました。この合格体験記を読んで下さっている受験生の中には、私よりずっと若い方が多いかと思います。こんなおじさんでも合格出来たのですから、若い皆さんが合格できない訳がありません。頑張って下さい。
インタビューを終えて
今回は、約40年会社勤めをした後、予備校に通って行政書士試験に2回目の挑戦で合格した新巻鮭さんの合格体験記を紹介しました。
のり男の合格体験記シリーズでは、これからも色々な立場で資格試験に合格した方の体験記を紹介していきます。
次回も楽しみにしていて下さいね!
新巻鮭さんが使っていた過去問集↓↓
合格革命 行政書士 肢別過去問集 2021年度 (合格革命 行政書士シリーズ)
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