民法第99条 代理行為の要件及び効果
民法第99条
1 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。
民法99条から118条まで、「代理」について規定がされています。
まず、代理の問題を考える時は、「本人」「代理人」「相手方」という三者が登場することをイメージすることが大切です。
![代理関係図](https://minpolabo.com/wp-content/uploads/2019/06/m_joubun99_1.png)
事例問題を解くときは、上の関係図のように、「本人を上に、代理人を本人の下に、相手方を代理人の横に」書き、この三角形の関係性をイメージすると良いと思います。
代理の要件は、以下の3つです。
- 代理権の存在
- 顕名
- 代理権の範囲内の代理行為
まず、本人の代理人であると言うためには、正当な代理人であると言えるための資格が必要です。本人からお願いされて代理人となる「任意代理人」であっても、法律上当然に代理権が発生する「法定代理人」であっても、代理権の存在があることが大前提です。
そして代理人は、本人のために代理行為をすることを示す(=顕名)必要があります。ここでいう「本人のために」とは、本人の利益を図る意思ではなく、本人に効果を帰属させようとする意思です。
そして、代理人が代理権の範囲で代理行為をした場合、その代理行為の効果は、本人に直接帰属することになります。
例えば、本人Aが代理人Bに「Cさんから時計を買って来て」とお願い(=①代理権の存在)して、代理人Bが本人Aさんのために買うことを示して(=②顕名)相手方Cさんから時計を購入した場合(③=代理行為)、売買契約を直接したのは代理人Bさんと相手方Cさんですが、売買契約の効果は本人Aさんと相手方Cさんの間に帰属し、代理人Bさんには売買契約の効果は何ら帰属しません。これが民法第99条第1項で規定されている代理行為の要件と効果の例です。
民法99条の規定は、これ以降の代理に関する条文を学ぶ際の基本になります。ソラで言えるくらいにまで、しっかりと覚えておきましょう。
民法99条 代理行為の要件及び効果に関する過去問
(オリジナル問題)代理人Aが、本人Bの名を示さず相手方Cと売買契約を締結した場合にでも、売買契約は本人Aと相手方C間で成立する。
問題(穴埋め条文)
民法第99条
1 代理人がその権限内において( ① )することを示してした意思表示は、( ② )直接にその効力を生ずる。
2 前項の規定は、( ③ )が代理人に対してした意思表示について準用する。
①本人のために ②本人に対して ③第三者
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