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今回の「のり男の合格体験記紹介」は、仕事に家庭にと忙しい中でも時間を見つけて勉強を続け、2年目で司法書士試験に合格したイルカさん(仮名)の合格体験記です。
イルカさん(35歳)は、法律事務所でパラリーガルとしてフルタイムで働きながら、2年目に司法書士試験に合格されました。
以下、イルカさんのインタビュー記事です。
司法書士試験を目指したきっかけ
私は大学を卒業した後、法律事務所でパラリーガルとして働いていました。大学は法学部に通っていました。弁護士や検察官にならなくとも、大学で折角法律を学んだのだから、何か法律に携わる仕事がしたいと思い、法律事務所に就職しました。
就職してから3年目に結婚をして、仕事も楽しく、毎日幸せな日々を送っていました。しかし、ある日突然夫がリストラに遭い、しばらく無職の日々が続きました。私の給料や夫の失業保険でなんとか生活は出来ましたが、「パラリーガルではなく、私も何か資格を取って手に職をつけて稼ぐ方法を身につけた方がいいかもしれない」と、この時から思うようになりました。
法律事務所に勤めていたので弁護士になることも考えたのですが、当時は新司法試験が実施されて間もない時期だったので、予備試験もなく、司法試験を受けるには法科大学院へ通う必要がありました。仕事や家庭があったので時間的にも経済的にも法科大学院へいくことは出来ず、弁護士になる道は諦めました。
そこで弁護士の隣接資格である司法書士に目を向けました。法律事務所に勤めていると、不動産絡みの案件も多数あります。当時勤めていた事務所には司法書士がいなかったので、登記業務は、提携している外部の司法書士に依頼していました。
「司法書士になったら自分で稼げるようにもなるし、今の事務所に依頼がくる登記の仕事を資格者として出来るかもしれない」と思って、司法書士を目指すことにしました。
合格までの道のり
予備校に通い、1回目の試験はお試し受験で、2回目の試験で合格することができました。
予備校に通った理由、使用したテキスト
短期間で集中して勉強して、早期の合格を目指そうと思ったので、迷わず予備校に通いました。
テキストは、予備校のテキストだけを使用しました。
兼業で家庭もある中での勉強だったので、予備校のテキスト以外に参考書等を読んでいる時間はないと思いました。また、予備校のテキストの内容だけを完璧にマスターしたら、合格に必要な知識は身につくとも思っていました。
使用した問題集
択一試験向けに使用した過去問集は、『合格ゾーン』です。
問題演習は、LECの合格ゾーンだけを何度も繰り返して解いていました。「合格ゾーンに出てくる問題だけを完璧にしよう。もしそれ以外の問題が出て分からなくても仕方ないから諦めよう。」という気持ちでした。
司法書士試験で大事なのは、Aランクと言われる基礎問題を落とさないことだと思います。予備校の講義とテキスト・合格ゾーンの内容を理解すれば、Aランクの基礎問題を落とすことはないと思って、他の問題集に浮気することなく、ずっと合格ゾーンを解いていました。
記述式試験向けには、予備校のひな型集をひたすら暗記し、基礎問題と答練の問題を繰り返し解いていたので、市販の問題集は使いませんでした。記述式は1問解くのに時間がかかるので、予備校の教材をこなすだけで時間的にいっぱいいっぱいで市販の問題集にまで手が回らなかったというのが正直なところです。
2021年版 司法書士 合格ゾーン 択一式過去問題集 1 民法[上] (司法書士合格ゾーンシリーズ)
勉強時間・勉強場所
朝は5時に起きて、夫と私の朝食とお弁当を作ってから早めに出勤し、始業時刻まで事務所で勉強していました。仕事が終わって帰宅する途中で買い物を済ませ、夕食を作り、家事をしたりお風呂に入ったりして用事を全て済ませてから、大体21時頃から23時過ぎまで勉強していました。もちろん通勤の電車の中でも勉強していました。
直前期は、家事をする時間も勉強時間にあてたかったので、家事は全て夫にして貰っていました。文句ひとつ言わずに応援してくれていた夫にとても感謝しています。
大変だったこと
仕事する時間、夫との時間、予備校の講義を受ける時間、そして自分で勉強する時間・・・どれも必要不可欠な時間です。時間がいくらあっても足りませんでした。
司法書士試験の勉強をするまでは、正直、「司法試験よりは簡単でしょ?難しいって言ってもそんなに難しくないよね?」と思っていました笑。…とんでもない間違いでした。覚えることが膨大すぎて、常に頭がパンク状態でした。司法試験と比べること自体ナンセンスなことですが、択一試験で求められる内容は、範囲によっては司法試験より細かいと思います。
やってもやっても次から次に覚えることがあって、時間をやりくりしながら勉強時間を確保するのが一番大変でした。でも「世の中には、ここに更に子育てをしながら勉強している人もいる。自分は子育てをする時間を取られることはないのだから、まだ恵まれているんだ。」と思うことで頑張ることが出来ました。
試験の直前や当日は、どんな感じ?
1回目の試験を受けたのは、試験勉強を始めて3カ月後のことです。予備校の民法の講義が終わるか終わらないかという頃でした。もちろんこの年に合格するつもりはありませんでした。本試験とはどんな感じか雰囲気を感じるために受けました。
予備校の講義が終わって3カ月後に2回目の試験を受けました。受かる自信は全くなかったです。予備校に通って勉強を始めてから常に寝不足だったのですが、直前期は寝不足に拍車がかかりました。
「あれもこれも出来てない」という状態で気持ちだけが焦っていました。焦る気持ちと格闘しながら、眠い目をこすって毎日限界まで勉強していました。精神的にも肉体的にも限界ギリギリだったと思います。
試験当日は、自信のなさから不安な気持ちでいっぱいでした。試験が始まった直後は、緊張で頭が真っ白になったことを覚えています。試験を受けているうちに落ち着きを取り戻すことが出来ましたが、手ごたえは全く無かったです。
試験が終わった後は、「今年はダメかもしれない」と憂鬱な気持ちになりました。
合格発表の時は、どんな感じ?
手ごたえが全くなくて、合格している自信は全くなかったのですが、どこかで「もしかしたら受かっている可能性もあるかも」と思っていたので、試験から合格発表までの期間はとても苦しかったです。試験は終わってしまったので、今なにか出来るわけではないのですが、気が付いたら試験の結果のことを考えていました。
合格発表の当日は、勤めていた法律事務所に無理を言って半休を貰って、法務局へ合格発表を見に行きました。
自分の受験番号を見つけた時は、嬉しくて嬉しくて涙が自然と溢れてきました。泣きながら夫に電話して、「受かったよ」と報告しました。その時の夫の「おめでとう。自分のことのように嬉しいよ。」という言葉が今でも忘れられません。
夫には迷惑をかけて申し訳ないという気持ちをずっと抱いていたのですが、頑張って勉強を続けて本当に良かったと思いました。
これから司法書士試験の合格を目指す方へ
私は司法書士試験の勉強を通して、勉強する面白さ、努力して結果を出すことの大切さ、そして何より家族や周囲の人々の存在のありがたさを改めて知ることが出来ました。
勉強を続けていると、苦しい時期が絶対きます。でも合格したら、そんな苦しみもいい思い出として笑えるようになります。今は不安な気持ちが大きくて大変かもしれませんが、合格したら必ずいい方向に人生が変わると思います。
司法書士試験は本当に難しい試験です。でも努力して勉強を続ければ、必ず合格できる試験だと思います。皆様の合格を心よりお祈りしています。
インタビューを終えて
今回は、仕事に家庭にと忙しい中でも時間を見つけて勉強を続け、2年目で司法書士試験に合格したイルカさんの合格体験記を紹介しました。
のり男の合格体験記シリーズでは、これからも色々な立場で資格試験に合格した方の体験記を紹介していきます。次回も楽しみにしていて下さいね!
イルカさんが使っていた過去問集↓↓
2021年版 司法書士 合格ゾーン 択一式過去問題集 1 民法[上] (司法書士合格ゾーンシリーズ)