自主学習となった法定講習は一体どのようなものなのか?免許交付までの流れや内容について詳しくお伝えしていきたいと思います。同じように感染拡大地域にお住まいの方はぜひ参考になさって下さい。
法定講習とは何か?
法定講習とは、宅建士の免許を取得してから5年ごとの免許更新時に受講する講習です。
通常、弁護士の先生などを講師として招いて、紛争事例、重要な法改正のあった部分、税に関する事、人権問題についてなど、朝から休憩を挟んで6時間ほどの間、沢山の人数で集まり講習を受けます。
宅地建物取引士に関する講習には他にも、宅地建物取引士試験が5点免除になる登録講習、宅建士試験合格後に2年の実務経験がない方が受講する登録実務講習などがあります。
法定講習の時間割
2020年4月9日 宅建士 法定講習 | ||||
9時35分~9時45分 受付・オリエンテーション | ||||
時限 | 時間 | 講習科目 | ||
1 | 9時45分~12時(135分) | 紛争事例と関係法令および実務上の留意事項、宅地建物取引業とコンプライアンス等(弁護士) | ||
休憩 50分 | ||||
2 | 12時50分~14時20分(90分) | 改正税制の主要な改正点と紛争事例および実務上の留意事項等(税理士) | ||
休憩 10分 | ||||
3 | 14時30分~16時30分(120分) | 改正法令と主要な改正点と実務上の留意事項、顧客サービスへの能力向上等(不動産鑑定士) | ||
16時30~16時45分宅地建物取引士の交付 |
法定講習がコロナの影響で自宅学習となった経緯
国の新型コロナウイルス対策本部において、感染症対策の基本方針が令和2年2月25日に決定され、『イベントを開催する際は、感染拡大防止の観点から、感染の広がり、開場の状況を踏まえて、開催の必要性を改めて検討するよう要請する』という方針が決まりました。
講習の実施に関する特例が新しく追加され、当面の間は自宅での講習も法律的に認められる事となり、令和2年2月27日以降、感染が拡大している地域の法定講習は、自宅での自主学習とういう形式で行われています。
自宅に届いたテキスト類
法定講習を予定していた2020年4月9日の翌日、自宅学習用の法定講習テキスト一式が、レターパックで自宅に届きました。下記が実際に届いたものです。
不動産税制の手引き
法令改正のポイント
宅地建物取引士法定講習テキスト
手口建物取引士の氏名と役割
今年の土地・住宅税制はこう変わる(小冊子)
知っていますか?宅地建物取引業と人権
賃貸住宅の原状回復トラブルを防止するために
大阪府暴力団排除条例
レジュメプリント3枚
不動産税制の手引き
法令改正のポイント
宅地建物取引士法定講習テキスト
手口建物取引士の氏名と役割
今年の土地・住宅税制はこう変わる(小冊子)
知っていますか?宅地建物取引業と人権
賃貸住宅の原状回復トラブルを防止するために
大阪府暴力団排除条例
レジュメプリント3枚
法定講習確認問題
学習報告書
返信用封筒
自宅学習から免許交付までの流れ
①テキストを読んで学習
レジュメに記載されている重要項目を参照し、教材を熟読する。学習時間は約6時間程度を目安にすること。
②学習報告書の記入
学習報告書に学習日時を記入する。同じく署名・受付番号・講習日・登録番号・宅地建物取引証の送付先も記入します。
③確認問題を解く
合計12問の確認問題を解く。1時限目の紛争事例と関係法令および実務上の留意事項、宅地建物取引業とコンプライアンス等、2時限目の改正税制の主要な改正点と紛争事例および実務上の留意事項等、3時限目の改正法令と主要な改正点と実務上の留意事項、顧客サービスへの能力向上等から、それぞれ4問づつ出題されており『マルorバツ』で記入します。
④返信用封筒で返送
テキストが届いてから1週間以内に、『学習報告書』『確認問題』『受講票』を返信用封筒に入れて返送する。
⑤免許の送付
上記書類がセンターへ到着後、1週間以内に簡易書留で新しい免許が到着します。
法定講習(自宅学習)感想まとめ
2020年4月から民法が大幅に変わるこの節目のタイミングに、法定講習を受けることが出来てラッキーだと思ってたのですが、新型コロナウイルスのせいで自宅での学習となってしまいとても残念です。
免許センターから送られてきた講習テキストは数冊ありますが、法改正のあった部分を重点的に学習しました。レジュメの方に、特に重要とされる箇所がテキストの何ページから何ページまでという感じで記載されており、実際の法定講習同様に、大切な部分だけをある程度抜粋して学習をすすめました。
今回の法定講習はいつもと違った自宅学習という方法で行われて戸惑いもありましたが、満員電車に乗り講習会場へ行くのも正直嫌でしたし、大勢の人がたくさん集まって講習を受けるというのは明らかに『3密』に値します。ですのでこのような自宅学習という柔軟な対応を非常にありがたく感じた次第です。
今後も初心を忘れずに、宅建士として知識向上に尽力して、日々邁進していきたいと思います。
最後に
この度、新型コロナウイルスに罹患された皆様におかれましては、一日も早いご回復をお祈りいたしますとともに、その近親者の皆さまに、こころよりお見舞い申し上げます。
不安な毎日を送る中で、今私たちに出来る事は、出来る限り家から出ない事。『”stay home”』それが正に自分の命や周りの人の命を守ることに繋がります。
自宅にいる事が増えストレスがたまる一方ですが、出来なくなったことばかりを考えて嘆いていても前へは進めません。外出できないこんな時こそスキルアップに力を注ぐなど、新たな目標を掲げてみましょう。
この際、オンライン学習で資格取得などにチャレンジするのも良いかもしれません。自宅で過ごした時間が後々有意義だったと思い返せるように。そして蓄えた知識を活かせる日が、近い将来必ず来ると信じて様々な事に取り組んでみて下さい。
不動産流通推進センターのHPでは、春の研修キャンペーンとして研修動画を無料開放しています。令和元年度、実施した各種研修・講座の動画をパスワード不要で誰でも見ることが出来ます。ぜひ自宅学習にお役立てください。https://www.retpc.jp/spring2003/
当サイト民法ラボでも、宅建士の仕事に深く関わる改正民法についての解説など、知識向上のためのコンテンツを多数ご用意しております。この機会に是非ご活用下さい。
今回は、宅建士のお仕事法定講習についてお伝えさせて頂きました。コロナウイルスの影響で宅建士免許の更新どうなるのかな?と心配されている方に、この記事がちょっとでもお役に立てると嬉しいです。
コロナウイルスが一日も早く終息して平和な日々が戻りますように。長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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