1年以内に司法書士登録・入会を予定している人のために、日本司法書士連合会では『ブロック新人研修』『中央新人研修』『配属研修』の3つの新人研修を実施しています。多くの方は、これに加えて『特別研修』と『各司法書士会が実施する単位会の新人研修』を受講します。
『中央新人研修』とは?
『中央新人研修』は、「第一に法律専門家としてあるべき職能像を理解し、司法書士の職責と社会的使命を自覚すること、第二に司法書士の執務に必要な法的思考力を養うとともに実務に対応するために必要な知識、倫理を学ぶこと」を目的に実施されています。(「平成30年度司法書士中央新人研修しおり」より抜粋)
研修は、eラーニング形式の「前期日程」と、各ブロック会場での少人数ゼミナール形式の「後期日程」があり、両方の日程の研修を受講する必要があります。
前期日程:eラーニング
eラーニング形式の「前期日程」の内容です。eラーニングでは、主に司法書士制度の歴史や司法書士の業務・職責や倫理について学びます。
研修名 | コマ数 | |
1 | 司法書士の歴史 | 80分×2コマ |
2 | 司法書士の業務と職責 | 70分×2コマ |
3 | 憲法と司法書士 | 60分×2コマ |
4 | 不動産登記と司法書士 | 60分×2コマ |
5 | 商業登記と司法書士 | 60分×2コマ |
6 | 裁判業務と司法書士 | 60分×2コマ |
7 | 成年後見業務と司法書士 | 60分×2コマ |
8 | 法律家を目指す君たちへ | 60分×2コマ |
9 | 民事訴訟実務の基礎 | 60分×2コマ,80分×2コマ |
研修に申込んだ後、eラーニングのサイトURLとログインID,初期パスワードが研修資料一式とともに自宅へ届きます。
視聴期間はグループごとに決められていて、必ず指定された視聴期間内に全ての講義を受講しなければいけません。
グループ名 | 視聴期間 | ブロック |
第1グループ | 12月1日~12月17日 | 中部ブロック・中国ブロック・四国ブロック・九州ブロック |
第2グループ | 12月18日~1月3日 | 北海道ブロック・東北ブロック・近畿ブロック |
第3グループ | 1月4日~1月20日 | 関東ブロック |
各コマには、内容を理解しているかを確認するための小テストがあります。全問正解しないと次のコマに進むことができません。
後期日程:事前課題(レポート提出)
後期日程を受講するにあたり、事前に課題レポートを作成して提出します。
レポートの課題は、「司法書士に高度な倫理が求められる理由について、①依頼者と司法書士の契約の性質、②忠実義務、③公正と独立の3つのキーワードに触れながら、1200字以上、1500字以内でレポートを作成してください。」というものでした。
作成したレポートは、eラーニングのサイトから平成31年1月6日23:59までに提出する必要がありました。
私はレポートを作成するにあたり、①前期日程で視聴したeラーニングの「司法書士の業務と職責」の講義、②書籍「司法書士 簡裁訴訟代理等関係業務の手引〈平成29年版〉」、③「司法書士倫理の条文」を参考にしました。
文字数は1200字以上1500字以内と多くないので、すぐにその文字数には達しましたが、逆にその文字数内に簡潔にまとめるのに苦労しました。
後期日程:事前課題(倫理事例研究の時系列作成)
事前に送られてきた講義要綱に掲載されている①民事訴訟事件と②登記事件についての基本事例を読み、事例の概要を時系列にしてまとめるという課題です。
この課題は後期日程(1月22日~24日)の前日までに仕上げる必要がありました。作成した時系列を使って後期日程の研修が実施されるので、後期日程が始まるまでに必ず仕上げておく必要があります。
終わりに
以上が『中央新人研修』の「前期日程」eラーニングの内容と、後期日程が始まるまでにするべき事前課題の内容になります。
次回は各ブロック会場での少人数ゼミナール形式の「後期日程」の内容についてご紹介します。