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民法条文解説・語呂合わせ

【民法280条】地役権(わかりやすい条文解説)

条文解説 地役権
こんぶ先生
こんぶ先生
今回は民法280条地役権についてです。
ワカメちゃん
ワカメちゃん
地上権、永小作権、及び地役権は、用益物権と呼ばれています!
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。用益物権とは、他人が所有する土地を一定の目的のために使用収益する制限物権をいいます。では早速見てみましょう。

民法280条 地役権

地役権とは?

地役権については、民法280条に規定があります。

第280条 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。

簡単にいうと地役権とは、自分の土地(要役地)の利用価値を増すため、他人の所有する土地(承役地)を利用することができる権利です。

①地役権は、当事者間の設定契約によって成立する。地役権者は土地所有者に限らる(多数説)。
②要役地の所有者が地役権を取得した場合、要役地の地上権者、永小作人及び賃借人は、地役権を行使することができる。
③同じ土地に複数の地役権を設定することができる。
④要役地と承役地は隣接してなくてもよい。
⑤要役地は一筆の土地でないといけないが、承役地は一筆でなくても良い。

地役権の対抗要件・登記・設定者の義務等

こんぶ先生
こんぶ先生
地役権を第三者に対抗するにはどうしたらいいですか?
のりお
のりお
地役権も用益物権なので登記をしないといけないなー。
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。当事者間で設定登記をすることができます。
こんぶ先生
こんぶ先生
地役権者は、物権的妨害排除請求権及び物権的妨害予防請求権を行使することができますが、物権的返還請求権は行使することはできません。地役権は、承役地を占有する権利ではないからです。
ワカメちゃん
ワカメちゃん
承役地所有者は、設定行為に従い、承役地を要役地の便益に供させる義務を負います。
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。また設定契約により、承役地所有者が自分の費用で工作物を設け、その修繕をする義務を負うという定めをすることもできます。
のりお
のりお
地役権者は、承役地所有者の特定承継人に対しても、義務の負担を主張できるぜ!ただし、登記をしていないと、特定承継人に対して義務の負担を主張することはできないんだよな。

対価の支払いは地役権の要素でないから、有償・無償を問わない。

地役権の存続期間

こんぶ先生
こんぶ先生
地役権の存続期間はどうなりますか?
のりお
のりお
自由に当事者間で決めれるぜ!永久地役権の設定も可能だぜ!
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。

地役権の消滅原因

第286条 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。
第287条 承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることができる。

地役権は、物権一般の消滅原因によって消滅します。

こんぶ先生
こんぶ先生
承役地所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄(所有権を無償で地役権者に移転する)して地役権者に移転して、これにより286条の義務(承役地の所有者の工作物の設置義務又は修繕)を免れます。地役権は混同によって消滅します。
こんぶ先生
こんぶ先生
地役権は、何年で消滅時効にかかりますか?。
のりお
のりお
地役権は、20年の消滅時効にかかるぜ。
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。継続的でなく行使される地役権の消滅時効の起算点は、最後の行使の時です。継続的に行使される地役権(通路を開設する通行地役権)の消滅時効の起算点は、その行使を妨げる事実(通路の破壊)が生じた時です。
こんぶ先生
こんぶ先生
地役権者がその権利一部を行使しない時は、どうなりますか?
ワカメちゃん
ワカメちゃん
その部分のみが時効によって消滅します。
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。幅10メートルを開設して通行する地役権者が、5メートル分の通路を使っている状態が長く続くと、残りの5メートルが時効で消滅します。

①土地の共有者の一人が時効で地役権を取得したときは、他の共有者も取得する。(時効取得しやすい方向)(改正民法284条1項)
②地役権の取得時効の更新は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。(改正民法284条2項)
③地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の完成猶予の事由があっても、時効は、各共有者のために進行する。(時効消滅しにくい方向)(改正民法284条3項)

付従性と随伴性

第281条第1項 地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
第2項 地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。

こんぶ先生
こんぶ先生
地役権者が要役地の所有権を譲渡した場合、これに随伴して地役権も移転します。所有権と地役権は一体です!
こんぶ先生
こんぶ先生
地役権者は要役地から地役権を分離して、地役権のみをを譲渡すること又は、地役権のみを他の権利の目的とすることができません。なぜなら、地役権は、要役地に付従するものだからです。

①要役地の譲受人は、地役権の取得を承役地の所有者及び包括承継人に対抗することができる。ただし、要役地につき所有権移転登記が必要。地役権が要役地とともに移転しないという特約があれば、所有権が無いのに地役権があっても意味はないので、地役権は前所有者に残らない。
③要役地又は承役地の各共有者の持分のために存在させることはできない。

問題(穴埋め条文)

第280条 地役権者は、( ① )で定めた目的に従い、他人の( ② )を自己の( ② )の( ③ )に供する権利を有する。


①設定行為 ②土地 ③便益

まとめ

こんぶ先生
こんぶ先生
今回は用益物権の地役権について解説しました。他の用益物権も、勉強していきましょう。



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