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ゼミとは、受験生が数人集まって、一緒に勉強をすることです。ゼミを正しく機能させれば、勉強するモチベーションの向上に繋がったり、分からないことが分かるようになったり、と普段の学習において良い影響がでます。
ただし、正しいゼミの方法を知らないと、ゼミが合格を遠のかせてしまうかもしれません。今回は、ゼミをする時の注意点をご紹介します。是非参考にしてくださいね!
そもそも、なぜゼミをするのか?
「ゼミをしよう!」と集まってみたものの、共通認識としてゼミをすることの目的を共有していないと、何のために集まっているのかが分からなくなります。
ゼミをするための目的は、当たり前ですが、「合格するため」です。ではなぜ、合格するために数人で集まってゼミをするのか?
それは、一人では出来ないこと・ゼミでしかできないことをするためです。一人でも出来る勉強を、わざわざゼミという形でする必要はありません。例えば、「カフェに集まって、1時間と時間を決めて、それぞれが過去問を解いて、1時間経ったら休憩する」といったようなことはゼミとは言えません。一人でもできる過去問解きを、ただ空間を共有してやっているだけです。
普段の勉強は一人でやるものなので、気分転換に仲間に会ってそういったことをするのも良いでしょう。ただ、貴重な時間を使って集まるのですから、仲間がいないと出来ない勉強をすることの方が大事です。
ゼミは「本気で合格を目指して勉強している人」と一緒にしよう
ゼミを誰とするかは、とても重要です。ゼミを一緒にする人の欠かせない条件は、「本気で合格を目指して勉強している人」です。
受験生の中には、残念ながら、ただ予備校に通っているだけの人もいます。「高いお金を払って予備校に通っているのに、そんな人いるの?」と思う方もいらっしゃると思いますが、一定数そういった人がいるのは事実です。誰でも始めはやる気を持って予備校に通い始めます。しかし講義が進むにつれ、次第にモチベーションが低下して勉強することを怠り、「講義にはついていけてないけど、講座は1年あるから取り敢えず通おう」といったように、惰性で講義を受けてしまっている人がいます。
そういった人から「一人で勉強できないから、一緒にしない?」と誘われても、絶対に断ってください。モチベーションが低下している人と付き合うのは、時間の無駄です。あなたにとって何もメリットがありません。
反対に、「本気で合格を目指して勉強している人」から得るものは沢山あります。その人が試行錯誤してたどり着いた勉強方法を教えてくれたり、合格に必要な情報を沢山持っていたりと、交流を持つだけで良い影響を受けることができます。そういった人と時間を共有してゼミをすることで、必ず良い結果に繋がります。
具体的に何をするのか?
1.講義形式
講義形式とは、例えば、ゼミの開催までに学習した内容を、他のゼミ生に向けて説明する等、ある受験生の一人が、他のゼミ生に向けて講義をする形式のゼミです。
人に教えるためには、まずは自分が理解しなければいけません。説明する人は、他の人に説明するために、必死に学習内容を復習します。人に説明するために学習することは、学習した内容を体系立てて整理することに繋がります。
一方、説明を受ける側は、一度受けた講義の内容を、再度説明を受けられる点にメリットがあります。講義を一度受けただけで完全に理解できる人はごく稀です。2度・3度と説明を聞くことで、分かりづらかったことが理解できたり、より理解が深まったりします。
講義形式のデメリットは、説明する人の負担が大きい点です。また、知識レベルに差がある人が集まっているゼミでは、初学者が講義をするのは難しいため、必然的に講義をするのは中上級生になります。ゼミのための準備に時間をかけて、自分の勉強が疎かになってしまっては本末転倒です。可処分時間を十分に考慮して、普段の勉強に悪影響が出ない程度にゼミをすることを心掛けましょう。
2.問題形式(択一式)
問題形式とは、例えば、ゼミ生で同じ一問一答形式の問題をその場で解き、1問解き終えるごとに、自分が出した答えと、その答えに至った理由を答えていく形式のゼミです。
この形式のポイントは、答えだけでなく、必ず答えに至った理由を話すことです。理由を話すことで、自分が本当にその問題をを理解出来ているのかを確認することができます。また、理由を思い違えて正解できていたことを、他のゼミ生の解説を聞くことで正すこともできます。思い違いに気づくのは、一人で勉強している時にはなかなか難しいことです。
講義形式のように、ゼミをするのに準備がいらない点も問題形式のゼミのメリットです。
初学者と中上級者が集まっているゼミでは、主に初学者が問題を解き、中上級者が”初学者の解答と、そこに至るまでの過程”が合っているかを教えてあげる役回りになることで、うまくゼミが回るでしょう。
やってはいけないこと
議論をすること
何かのテーマについてディスカッションをするようなゼミをすることは禁物です。司法書士試験におけるゼミは、試験に合格するためのゼミです。例えば、「憲法改正の是非」について個々の意見を言い合っても、試験に合格するための要素は何もありません。
また、答えがすぐに分からないことをするのも得策ではありません。初学者同士で集まるゼミでよくあるのが、皆が答えが分からないような問題を解いてしまい、結局なぜそうなるのかが分からないままに終わってしまうことです。「分からないけど、私はこう思う」などとそこで意見を交わしても生産性が低いです。問題形式のゼミをする時は、集まった仲間で客観的な答えがすぐに出る問題を選んで解くようにしましょう。
慣れ合いにならない
気が合う仲間と集まってゼミをするのは楽しいものです。しかし、合格するために集まっていることを忘れてはいけません。貴重な時間を使ってゼミをするのですから、ただ世間話をして時間を過ごしたりしないよう、しっかりと目的を持って集まるようにしましょう。
おわりに
ゼミをすることで、一人で勉強するだけでは得られなかったメリットを享受することができます。しかしそのメリットを享受できるのは、正しい方法でゼミをした場合のみです。