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民法条文解説・語呂合わせ

【民法4条・5条】成年・未成年者(わかりやすい条文解説)

4条 成年、5条 未成年者:民法条文解説)
サメ肌さん
サメ肌さん
私は子供のころ、「早く大人になりたい!」と思っていました。

大人には学校の宿題がない。(子供は学校で勉強して、クラブ活動して、塾行って、家帰ったら宿題して…。あー忙しい!大人は仕事から帰ってきたらご飯食べてテレビ見て寝るだけなのに!)

大人は晩御飯食べた後にお酒飲んでもいい。(子供は夜中にジュースを飲むのは禁止だったのに!)

大人はお金を自由に使える。(子供は家のお手伝いして10円貰うのがやっと!)

大人は怒られることがない。(子供は門限破ったら怒られるし、食事中にちょっとヒジついたら怒られるし!大人は家の中では自分が一番偉いんだから、そりゃ怒られることはないよな)

大人って自由でいいな!

のり男
のり男
(サメ肌さん、なんか嫌なことでもあったのかな。)

しかし大人になってみると、子供の目から見た自由なんて全くないことが分かりました。

学校の宿題はないけど、仕事が忙しい時期は深夜まで残業。それでも終わらない時は家に仕事を持ち帰り。

子供は「お父さんは家でゴロゴロしてるだけ」なんていうけど、家にいる時くらいゆっくりしたっていいじゃないか!子供は毎日6時間なら6時間の授業が終わると決まった時間に帰れるんだし良いよな!

のり男
のり男
(こりゃ相当ストレスたまってるな。)

お酒も好きで飲んでるだけじゃないんだよ。嫌な上司や客と付き合いで飲まなきゃいけないこともあるんだ。無駄なお金と時間と気を遣って、あーやだやだ。そんなときは家で飲み直したくなるよ。

のり男
のり男
(会社で嫌なことあったのかな。)

お金の自由なんて全くない!家賃に食費に光熱費、税金に保険にローンに教育費!自分で稼いだお金なのに自由に使える額なんてスズメの涙ほどだよ。

のり男
のり男
(家で嫌なことがあったのか。)

家の外では怒られることばっかり!子供は親に反抗できるけど、上司や客に反抗しようもんなら、その後が恐ろしい…。

サメ肌さん
サメ肌さん
…と、大人になってみないと子供には分からないことが沢山ありました。

 

人にはそれぞれ自分の生きている世界があるので、それ以外の世界のことは分からないものです。本や映画の世界で疑似体験は出来ても、身を持って体験しないとその世界のことは分かりません。

子供から見て大人の世界は未知であり、子供の目から見た大人は、良い部分だけ見て判断するから羨ましくも見えるのでしょう。

ではなぜ、子供だったサメ肌さんは大人が羨ましく見えたのでしょうか。

民法4条 成年、民法5条 未成年者

民法4条では、以下のように規定しています。

4条 年齢二十歳をもって、成年とする。

二十歳になると成年となり、(中身が大人になるかは別にして)法律上は大人になります。

改正民法では、年齢十八歳となります。(2022年4月1日施行)

なぜ、わざわざこのような条文を規定しているかというと、未成年者(二十歳未満の者)を保護するために、成年と未成年者を区別しているのです。

未成年者は、権利能力があっても意思能力が十分ではなかったり、意思能力があっても間違った判断をする恐れが高いので、特別に保護を図る必要があります。

こんぶ先生
こんぶ先生
この「保護」が、子供にとっては有難さを感じるよりも、サメ肌さんのように、時には息苦しさを感じて大人が羨ましく見える原因かもしれませんね。
サメ肌さん
サメ肌さん
そうだったのかもしれません。しかし冒頭の私の話は、健康上の問題やしつけの面が多いにあるので、民法上の保護が問題になることはありませんね。

そうですね。では、民法上は未成年者はどのように保護されているのでしょうか。

未成年者の保護については民法第5条で規定しています。

5条 第1項 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

第2項 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

第3項 第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

子供と親の例にあてはめて各項を見てみましょう。

ワカメちゃん
ワカメちゃん
第1項にある法定代理人で一番分かりやすいのは親ですね。
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。例えば、未成年者が単独で、買受人として不動産の売買契約ができてしまったら、とても危なっかしいですね。
こんぶ先生
こんぶ先生
そこで民法では未成年者が法律行為(先の例では売買契約)をする場合には、法定代理人である親の同意が必要としました。そして、同意のない行為は取り消すことができるとしています(第2項)。
のり男
のり男
ただし、単に権利を得たり義務を免れる法律行為には法定代理人の同意は必要ないんだよな。
こんぶ先生
こんぶ先生
そうですね。例えば親戚のおじさんにおもちゃを買ってもらった場合は贈与契約という法律行為をしたことになりますが、未成年者にとってはなんら不利益はありませんので、おもちゃをもらうのに親の同意を得る必要はありません。

第3項では、例えば旅費(=法定代理人が目的を定めて処分を許した財産)や、お小遣い(=目的を定めないで処分を許した財産)は自由に使えることを言っています。

終わりに

サメ肌さん
サメ肌さん
もう一つ、思い出しました。小学生の頃、もうやらなくなったファミコンのカセット(年代が分かってしまいますね汗)を、近所の中古屋さんに売りに行った時に、お店の人に「親と一緒にくるか同意書を貰って来て」と言われたことを思い出しました。
サメ肌さん
サメ肌さん
なぜ自分のものを売るのに親の許可がいるの?なんて不思議に思ったものでした。(親に買って貰ったものなので、自分のものでも何でもないのですが…。なんだか自分がとても嫌な子供に思えてきました…。)
こんぶ先生
こんぶ先生
それは変な契約をしないように子供を守るためでもあるし、相手方であるお店の人を守るため(親の同意を貰って有効な契約を成立させるため)でもあったんですね。
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