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宅建アソシエイトとは、宅建業に従事する『宅地建物取引士資格の未取得者』を対象とした資格で、宅建士へのマイルトーン(中間目標)として不動産流通推進センターが各事業者団体と連携して構築した教育研修システムです。
それでは、宅建アソシエイトについて、これから詳しくご説明しましょう。
宅建アソシエイトとは
宅建アソシエイトとは、”宅地建物取引業に携わる初任従業者”を対象に作られた資格で、売買仲介の現地案内において適切に対応ができる豊富な知識を持って、お客様に安心と安全を提供する、ということを目的とした民間の認定資格です。
法律的な知識と実務的な知識をバランス良く習得できる”4つのステップ”を段階的にクリアして修了すると、宅建アソシエイト認定者として不動産流通推進センターから認定証が発行されます。(有効期間5年)
宅建アソシエイトが出来た理由
宅建アソシエイトという資格が出来たきっかけは、平成28年の宅地建物取引業法の改正で『事業者団体は宅地建物取引業に従事する方に対して、体系的な研修を実施するよう努めなければならない』と、法律で定められたからです。
宅地建物取引業法第75条の2
宅地建物取引業者を直接又は間接の社員とする*一般社団法人は、宅地建物取引士等がその職務に関し必要な知識及び能力を効果的かつ効率的に習得できるよう、法令、金融その他の多様な分野に係る体系的な研修を実施するよう努めなければならない
上記、宅建業法第75条の2に記載の*一般社団法人というのは、『(社)全国住宅産業協会』『(社)不動産協会』『(社)不動産流通経営協会』等の、不動産会社が属する団体の事を指します。
また、宅建アソシエイト資格取得のための関連参加団体としては、以下の団体が挙げられます。
全国住宅産業協会
全国宅地建物取引業協会連合会
不動産協会
不動産流通経営協会
不動産流通推進センター
宅地建物取引業者として仕事に従事してから、お客様に物件を案内したり、取引経験を沢山積んで、プロとして一人前になるのには実際相当な時間がかかるのが現状です。
しかし、不動産を売りたい、または購入したいお客様からすれば、宅建業者の社員が新人であろうがベテランであろうが関係ありません。
もし宅建士の資格を持っていれば、重要事項説明などの独占業務を行うことも出来る上に、宅建士取得時に学習した不動産知識が、宅建業務を行う上でのアドバンテージになる事は間違いありません。
しかし、不動産会社に入社したばかりで右も左もわからないという中、宅建士の資格を取ろうにも、いきなりでは難易度が高く、そもそも勉強をする余裕も時間もない、というのが多くの方の意見だと思います。
適正かつ安全な不動産取引を行うためにはまず、宅建士の資格取得よりも先に、体系的な研修制度によって実践的な実務の知識と法律知識を体系的に身につける事と、お客様に信頼してもらえるような人材を育てる事こそが何より重要と考えました。
そこで、各団体が協力し合って作り上げた教育研修プロセス、それが『宅建アソシエイト』という資格なのです。
昔に宅建士を取得したものの、宅建業に従事するようになったのはつい最近で、実務経験がほとんど無いという様な方にもお勧めです。
宅建アソシエイト資格取得までのステップ
ステップ①初任従業者研修
第1ステップの初任従業者研修は、Ⓐ各所属団体の実施する初任従業者研修(集合研修など)か、もしくは、Ⓑインターネット通信講座(全宅連の「不動産キャリアパーソン」もしくは不動産流通推進センターの「不動産基礎研修」)、ⒶかⒷどちらかを選択して受講しなければなりません。
所属団体別に見る初任従業者研修 | |
全国住宅 産業協会 | Ⓐ基礎実務研修会(集合研修) Ⓑ不動産基礎研修 基礎研修の詳細を見る |
不動産流通 経営協会 | |
不動産協会 | Ⓑ不動産基礎研修 基礎研修の詳細を見る |
全国宅地建物 取引業協会連合会 | Ⓑ不動産キャリアパーソン講座 キャリアパーソンの詳細を見る |
*全宅連の「不動産キャリアパーソン」、推進センターの「不動産基礎研修」は、宅建業従業者、経営者、宅地建物取引士だけでなく不動産知識を高めたい一般の消費者の方でも申込して受講可能です
『不動産キャリアパーソン』と『不動産基礎研修』の違い
『不動産キャリアパーソン』『不動産基礎研修』共に、お手持ちのスマホやタブレット・PCなどを使用し、でインターネット通信講座で授業が進められます。
両社の一番大きな違いとしては、不動産キャリアパーソンは資格であるという事、不動産基礎研修は研修である、という部分です。ではそれぞれの特徴をみていきましょう。
不動産キャリアパーソン | |
費用 | 8,000円 *通信教育費用、修了試験受験料(1回分)、資格登録料含む |
特徴 |
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メリット |
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5分でわかる不動産キャリアパーソンについての説明動画です。↓
不動産基礎研修 | |
費用 | 13,500円 *税込・テキスト代含む( 割引コードで8000円) |
特徴 |
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メリット |
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ステップ②登録講習(5問免除)
登録講習を受講すると、宅建士試験が5問免除になります。国土交通省のHPに掲載の定められた登録講習実施機関にて受講してください。
ステップ③『実務課程』
ステップ①初任従業者研修の際、初任従業者研修を受講した団体に『宅建アソシエイト』の申込みを行い費用を支払った後、パスワードをもらって、パソコン又はタブレットを使ったeラーニングで学習します。
実務課程(eラーニング)では、実務に関する知識と対応力を学びます。(全50問)
*ステップ①の初任者研修にて、全宅連が実施機関の『不動産キャリアパーソン』を受講・修了した場合、ステップ③の実務課程は免除されます。
ステップ④『修了課程』
いよいよ最後のステップです。修了課程も、パソコン又はタブレットを使い、eラーニングで学習します。(全50問)
認定されるとどうなるの?
全てのステップを終えると、宅建アソシエイトに認定されて、推進センターから認定証がもらえます。有効期間は5年間で、認定者は名刺に「宅建アソシエイト」と記載することができます。
①認定証は案内等の接客時は提示すること。
②常に携帯し、取引の関係者から請求があったときは提示すること。
③他人に貸与し、または譲渡してはならない。
注意:宅建アソシエイトに更新はありません。5年間の有効期間が過ぎて再認定してもらいたいのであればまた同じ1から4のステップを踏んで修了しなければなりません。
宅建アソシエイトまとめ
宅地建物取引業全体の知識向上に向けて作られた『宅建アソシエイト』は、単に宅建士試験に役立つというだけではありません。
実務の基礎を習得できるという部分に関して見れば、宅建士以上に実用的な学習が出来る為、不動産会社に従事する社員の教育ツールにも適しています。
しかし、宅建アソシエイトは実務も法律も体系的に学ぶことが出来るので、不動産業界ですぐに即戦力となることが出来る知識を、効率的に習得することが出来ます。
すでに宅建士の資格を持っている方でも、宅建業に従事してさえすれば取得できる資格なので、知識向上のためにチャレンジしてみても良いかもしれません。
不動産業界に入ったら、まず『宅建アソシエイト』を目指し、その後は国家資格である『宅建士』を取得する。最終的には更にその上級資格である『宅建マイスター』となり、宅建士の道をとことんまで極めてください。
実務・法律知識共に兼ね備えた真のプロフェッショナルとして、ますます宅建業界でご活躍されることをお祈りしています。
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