教授:AとBとの間で、Aの代理人としてAの所有する甲不動産をCに売り渡す契約を締結する権限をBに与える委任契約を締結したという事例を前提として、代理について考えてみましょう。それでは、AとBとの間で、Aの代理人としてCの占有する高名な乙絵画を買い受ける契約を締結する権限をBに与える委任契約を締結していたものとします。Bが、Aの指図に従いCとの間で乙絵画の売買契約を締結してその引渡しを受けたものの、Cが乙絵画について無権利者であった場合に、Aは乙絵画を即時取得することができますか。
学生:エ Cが無権利者であることについて、Bが善意無過失であったとしても、Aが善意無過失でなければ、Aは乙絵画を即時取得することができません。
正解:○
参考条文:【101】
Ⅰ 意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
Ⅱ 特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。
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