A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合に関する次の記述は、民法の規定及び判例により、正しいか否か。なお、A、B、Cの負担部分は等しいものとする。(改)
DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知らなければ、B及びCについては、その効力が生じない。
〈正解〉
×
〈参考条文〉
【民法434条】連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。
のり男
債権者はDで、連帯債務者はA、B、Cの三人。ABCの3人は、Dに対して総額900万円の借金をしている。連帯債務だから、各自がそれぞれ独立して、900万円を返さなけらばいけないという、一人一人が債務の全部を背負っているんだな。
ワカメちゃん
負担部分は等しいけれども、債務の全部の責任を負うとなると、責任は重いですよね。
こんぶ先生
問題では、DはAに対してだけ履行の請求をしたということですが、この場合、Aに対する消滅時効期間の進行が中断されます。さらに、Bや、Cに対しても絶対効(絶対的効力)により、債務の消滅時効が中断されるのです。
ワカメちゃん
『請求』の効力は、他の連帯債務者にも効力を及ぼすのですね。
相対効力と絶対効力
連帯債務者の1人に生じた出来事は、原則として他の債務者に影響を及ぼしません。これを、相対効(相対的効力)といいます。例外的に、連帯債務者の一人に生じた事由が、他の債務者にも影響を及ぼす場合があり、これを絶対効(絶対的効力)といいます。ひとりの連帯債務者に『相殺』『更改』『請求』『時効の完成』『免除』『混同』が生じれば、他の連帯債務者がその事実を知っていても知らなくても、他の債務者に影響が及ぶ事となります。
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