A所有の甲土地につき、平成29年10月1日にBとの間で賃貸借契約(以下「本件契約」という。)が締結された。この場合、次の記述は、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいか否か。(改)
賃借権の存続期間を10年と定めた場合、本件契約が居住の用に供する建物を所有することを目的とするものであるときは存続期間が30年となるのに対し、本件契約が資材置場として更地で利用することを目的とするものであるときは存続期間は10年である。
〈正解〉
〇
〈参考条文〉
【第604条】賃貸借の存続期間は、20年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、20年とする。
〈補足説明〉
建物の所有を目的としていない場合(土地だけの賃貸借)は、民法の規定が適用されます。(同法604条)。存続期間を「10年」とするこの契約は民法に反しておらず、有効です。
こんぶ先生
本肢は土地の賃貸借における存続期間について問われた問題ですが、民法上と借地借家法上の、『借地権の存続期間の違い』はきちんと区別出来ていますか?
ワカメちゃん
建物の所有を目的とする土地の賃貸借や地上権は、借地借家法が適用され、借地権の存続期間は『最短30年』となります。
ワカメちゃん
建物の所有を目的としない土地の賃貸借や、地上権は民法が適用され、借地権の存続期間は、『最長で20年』です。
のり男
借地借家法では、契約で30年より短い契約、例えば10年と定めても契約期間は30年となるんだっけかな!?
こんぶ先生
逆に契約で30年よりも長い期間を定めた場合は、契約で定めた期間が存続期間となります。
ワカメちゃん
材置き場などで土地のまま使用する場合は、民法の規定が適用となり、『最長で20年』借りることが可能です。なので、本肢の『更地で利用することを目的とするものであるときは存続期間は10年である』とする契約は、20年以内なので、民法の規定に反しておらず、本肢は正解となります。
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